

適正で安定的な調達は
日清食品にとっての生命線
日清食品の資材部ではスープ・調味料、具材、包材の3つの調達を行っており、チーフオフィサーの下に私を含め3人の次長がいます。私が管轄しているのは、スープ・調味料の原料調達と、生産拠点の新設や再編を担うグループと、海外現地法人と国内グループ会社の調達支援などを行うグループで、約15名が従事しています。
近年調達の仕事はCSR(企業の社会的責任)が注目されるようになり、重要度が増しています。海外の産地を直接訪問し、きちんと認証を得た方法で生産されているか、労働環境は適切かといったチェックを行うのも調達の仕事です。生産者と直接契約して、例えばネギなどはどの農場で作られたかをトレースできるくらいまで管理しています。

「EARTH FOOD CREATOR」
というコンセプトにビビっときた
前職は専門商社で飼料用添加物の調達をしていました。転職しようと思ったのは、もっと直接的に人の食に関わる仕事がしたかったからです。それ以前は海外と国内の乳業メーカーでも働いていたので、調達と海外での経験を活かして、より大きな社会貢献ができる会社を探していました。そんな時に出会ったのが日清食品です。
私が一番やりたかったことは、食を通じて世界中に笑顔を広めていくこと。転職活動を通じ、日清食品が「EARTH FOOD CREATOR」というコンセプトを大切にしていて、地球規模で食を考えている会社だということを知りました。言われてみれば会社のロゴも笑顔の口元を表しているし、「まさに私がやりたいことを目指している会社だ!」と、ビビっときたことを覚えています。

多様性に富んだ組織へと変化した資材部
役割が広がり、高まるパフォーマンス
私が入社した当初、購買部(当時の資材部)にはキャリア入社の社員も女性社員も、ほとんどいない状態でした。ですが、性別や国籍問わず活躍がしやすい環境という土壌がもともとあったこと、グローバルな買い付けに挑む資材部の仕事が注目されるようになったことから、今ではさまざまなバックボーンを持った多様な人材が集まってきています。現在は新卒入社の方も配属されるようになり、後輩を育てることで周囲のメンバーも成長するという好循環につながっていますね。
資材部に求められる機能は広がっています。一般的にはデリバリーや価格交渉というイメージが強いと思いますが、資材高騰の中で供給を確保するための調達方針を打ち出したり、ESGに関わるチェックを行うため直接産地に飛んで現場を視察するなど、取り組むべきことは多くあります。それらに対応するためにもパフォーマンスを上げて、フレキシビリティの高い組織に変化してきたんです。

食と職でみんなをハッピーに
調達ならではの社会貢献
日清食品全体で見ても、私の入社当時と比べると、女性管理職はかなり増えたと思います。もちろん管理職を目指すキャリアが全てではないですが、個人の力では限界がありますので、周りの人を巻き込みやすくなる立場にあれば、より大きなことを達成できるというのが私の持論です。
とても印象的な出来事がありました。ある原料となる野菜を栽培しているインドの村を訪問しました。以前、その野菜はアメリカでしか栽培していなかったのですが、灌漑用水を作る企業さんも巻き込んで、生産拠点を立ち上げたんです。それまで大きな産業のなかった村に農業という仕事が生まれ、みなさんイキイキとしていたのが印象的でした。食が職を生み、生産拠点が増えたことで競争も生まれ、品質向上にもつながる。こうした調達ならではの社会貢献を、これからも続けていきたいですね。