日清食品グループ

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2022.10.17 日清食品ホールディングス

お知らせ

日清食品グループが保有する「ビフィズス菌N61株」が
"認知機能を維持する" ことを発見

日清食品ホールディングス株式会社 (社長・CEO:安藤 宏基) は、日清食品グループが保有する「ビフィズス菌N61株」が、加齢に伴って低下する認知機能を維持することを臨床試験で明らかにしました。

セロトニン*1分泌促進能力を持つビフィズス菌を乳児の腸内細菌から発見
日清食品グループのグローバルイノベーション研究センターでは、健康科学に関する専門研究部門を設け、乳酸菌のさまざまな健康効果に関する研究を進めています。
このたび、日清食品グループが保有している微生物ライブラリーの中の1株である、乳児由来の「ビフィドバクテリウム・ロンガム N61 (ビフィズス菌N61株)」について、セロトニン分泌促進能力が高いことを細胞実験によって発見しました。
この「ビフィズス菌N61株」を継続的に摂取する臨床試験を健常な中高年を対象に実施した結果、加齢に伴って低下する認知機能である記憶力 (視覚記憶力:図形を覚え、思い出す能力) と注意力 (複数の情報から特定の情報に注目する力) を維持する効果があることが実証されました。
近年、腸内細菌が健康と密接に関連していることが明らかにされており、腸内細菌を含めた腸と脳が機能的に関連することを意味する "脳腸相関" への関心が高まっています。
弊社は、"脳腸相関" による健康への影響に着目し、ビフィズス菌摂取による認知機能維持を目指した研究を続けていきます。

「ビフィドバクテリウム・ロンガム N61 (ビフィズス菌N61株)」について

「ビフィドバクテリウム・ロンガム」は、他のビフィズス菌に比べて、出生後の早い時期から高齢になるまでヒトの腸内で優勢的に棲息するビフィズス菌です。感染防御作用や整腸作用、免疫力活性化、コレステロール低下などの機能が認められています。
「ビフィズス菌N61株」は、日清食品グループが保有する微生物ライブラリーの中の1株で、セロトニン分泌促進能力が高いことを細胞実験によって発見しました。セロトニンは、モノアミン仮説*2によって脳由来神経栄養因子 (BDNF)*3との関連が学術的に実証されています。

乳酸菌研究サイト「結果にこだわる日清食品の乳酸菌Lab.」

日清食品グループで独自に発見した乳酸菌について紹介する特設サイトです。
[URL] https://www.nissinhealth.jp/

臨床試験について

加齢に伴う記憶力の低下を自覚している健常な中高年60名を2グループに分け、一方の30名には「ビフィズス菌N61株を含むタブレット (N61摂取群)」、もう一方の30名には「ビフィズス菌N61株を含まないタブレット (プラセボ摂取群)」を12週間、1日1回摂取していただきました。(2018年8月から2019年3月に実施)
認知機能に対する有効性は、摂取前および12週間の摂取後に、コンピューター上で認知機能をテストできるパッケージであるCognitrax basic packageの結果を基に、総合記憶力スコアが平均点以上の被検者について解析しました。その結果、N61摂取群 (17名) は、プラセボ摂取群 (17名) に比べて視覚記憶に関する項目で有意なスコアを示しました。なお、この成果に関する論文は、「薬理と治療 (2019年第47巻第10号、1677-1688)」に掲載されました。
*1 神経伝達物質の一つで、全身に広く分布していますが、その多くは腸で作られます。“幸せホルモン”とも呼ばれており、脳内のさまざまな働きに関連があることが知られています。
*2 ドーパミンやノルアドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質が、精神疾患と密接に関わることが示唆されているとした仮説。
*3 神経細胞の成長や維持に関わる神経栄養因子で、海馬に多く存在しています。
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