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2023.10.18 日清食品

お知らせ

「食」と「ウェルビーイング」の関係性を明らかにする世界初の
研究調査 「Recipes for Wellbeing Report」を発表

日清食品株式会社 (社長:安藤 徳隆、以下 日清食品) と公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団 (理事長:安藤 宏基、以下 安藤財団) は、米国の世論調査会社であるギャラップ (CEO:Jon Clifton) の協力のもと、「食」と「ウェルビーイング*」の関係性を世界で初めて明らかにした研究調査「Recipes for Wellbeing Report」(食とウェルビーイングの関係性レポート) を発表しました。
国の経済規模を測る指標として活用されてきたGDP (国内総生産) ですが、本当の豊かさ、不平等、持続可能性が評価できないといった指摘が存在しています。そこで近年は、GDPに代わる豊さの指標を構築しようとする考え方 (Beyond GDP) が広がっており、中でも心身だけでなく社会的にも良好な状態を表す概念である「ウェルビーイング」が注目を集めています。
例えば、2024年9月に国連で開催される「未来サミット」では、「ウェルビーイング」に重点を置いた経済社会の構築が議題になるなど、日本をはじめ、イギリスやオランダ、ニュージーランドなどの国々で「ウェルビーイング」を測定し、政策に活かす試みが進められています。
「食」は健康を支える土台だと当たり前のように考えられていますが、「食」と「ウェルビーイング」の直接的な関係性は明らかになっていませんでした。そこで日清食品と安藤財団は、『「食」は「ウェルビーイング」を構成する重要な要素である』という仮説を検証するため、ギャラップとともに研究調査を実施しました。
その結果、『食事に満足している人は、満足していない人に比べて、「ウェルビーイング」を実感する可能性が1.62倍高い』『「食」は「収入」と同様に「ウェルビーイング」を構成する重要な要素である』ことなどが明らかになり、「食」と「ウェルビーイング」の間には強い関係性があることが世界で初めて立証されました。
日清食品と安藤財団は、今回公開した調査結果をもとに、「ウェルビーイング」の向上につながる「食」のあり方を大学や国際機関などと連携しながら探究していきます。

* 個人の心身や社会が良好で満たされている状態のこと。「自分が幸福であるかどうか」「自分の人生にどの程度満足しているか」などの質問に対する回答を通じて把握する「主観的ウェルビーイング」と、「GDP」「健康寿命」「犯罪発生率」など定量的指標で把握する「客観的ウェルビーイング」に分かれる。

調査結果概要

今回、『「食」を楽しめているか?』『自身が食べたものは健康的だったと捉えているか?』『食事の種類に幅広い選択肢があると感じているか?』の3つの質問項目について142の国と地域の人々を対象に調査を行い、これら3つの質問すべてに「はい」と答えた人の割合を「Food Wellbeing Index」として新たに定義しました。
この「Food Wellbeing Index」と、ギャラップが行う世界規模の世論調査「GALLUP WORLD POLL」で得られた「主観的ウェルビーイング」を測定する指数「Life Evaluation Index」を掛け合わせることで、「食」と「主観的ウェルビーイング」の関係性を分析しました。
その結果、3つの質問にすべて「はい」と答えた人は、1つでも「はい」以外の回答をした人に比べ、「ウェルビーイング」を実感する可能性が1.62倍高いことが分かり、「食」と「ウェルビーイング」の間には強い関係性があることが世界で初めて立証されました。
今回実施した研究調査の結果は、「ウェルビーイング」との関係性が高いとされる「性別」「年齢」「学歴」「収入」などの要素から受ける影響を考慮しても、有意であると考えられます。
また、研究調査を行った国と地域を「Food Wellbeing Index」に基づいて格付けしたところ、トップ10にはオランダ、アイスランド、ドイツ、スイス、オーストラリア、ノルウェーなど、「GALLUP WORLD POLL」で総合的な生活評価が高いとされている国々が多く含まれていました。(下図参照)
調査結果の詳細は、安藤財団のウェブサイトでご覧いただけます。
[URL] https://www.ando-zaidan.jp/news/pdf/RFW_report2023_ja.pd

安藤財団 理事長 安藤 宏基のコメント

私たちは、「食とスポーツは健康を支える両輪」の理念を掲げ、食文化の向上のため活動してきました。初の世界的調査となる本研究調査により、「食」は健康だけでなく、「ウェルビーイング」に大きく関係することが分かりました。この研究調査が国家、自治体などの政策立案者、研究者への「ウェルビーイング」向上へ向けた行動喚起になることを願っています。

予防医学研究者 石川 善樹のコメント

SDGsの目標3にも「Good Health and Well-Being」とありますが、「食」と健康の関係は多くの知見がある一方、「食」と「ウェルビーイング」についての知見は限定的です。本研究調査は、私の知る限り、世界規模のデータを用いて、「食」と「ウェルビーイング」についてその関係を明らかにした世界初のものであり、意義ある知見を人類に提供しているといえます。特に、これからのグローバルアジェンダである「ウェルビーイング」において、いかにして「食」が貢献できるのか、本研究調査が提供する知見について、引き続き注目していきます。

ギャラップ 公共部門グローバルヘッド シニアパートナー Joe Dalyのコメント

私たちは、画期的な調査を通じて世界の認識を再構築することに全力を注いでいます。「Food Wellbeing Index」は、私たちの食習慣が「ウェルビーイング」にどのような影響を与えるかについて新たな知見を提供し、賢明な食生活は、「食」を通じた「ウェルビーイング」につながっているという理解を世界に広め、多くの人々が健康の側面だけでなく、「ウェルビーイング」の観点から、自分の「食」を選択するようになることを奨励していきます。

ギャラップ世界世論調査 「GALLUP WORLD POLL」 について

ギャラップが2005年より毎年実施している世界最大の世論調査。15歳以上を対象に1か国あたり約1,000人に調査が行われており、世界の人口 (15歳以上) の95%以上を網羅する140以上の国と地域で実施されています。その調査データは、世界各国の政府、NGO、民間組織が直面する難題の解決に活用されています。

公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団について

公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団 (理事長:安藤 宏基) は、創設者 安藤 百福 (ももふく) が掲げた「食とスポーツは健康を支える両輪である」との理念のもと、陸上競技やテニス、バスケットボールなどのスポーツ支援、自然体験活動の普及に取り組んでいるほか、発明記念館の運営、新しい食品の創造につながる研究、開発を奨励する表彰事業を実施しています。日清食品グループは安藤財団の理念に賛同し、その活動を積極的に支援しています。
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