お知らせ
「食」と「ウェルビーイング」の関係性を明らかにする世界初の
研究調査 「Recipes for Wellbeing Report」を発表
国の経済規模を測る指標として活用されてきたGDP (国内総生産) ですが、本当の豊かさ、不平等、持続可能性が評価できないといった指摘が存在しています。そこで近年は、GDPに代わる豊さの指標を構築しようとする考え方 (Beyond GDP) が広がっており、中でも心身だけでなく社会的にも良好な状態を表す概念である「ウェルビーイング」が注目を集めています。
例えば、2024年9月に国連で開催される「未来サミット」では、「ウェルビーイング」に重点を置いた経済社会の構築が議題になるなど、日本をはじめ、イギリスやオランダ、ニュージーランドなどの国々で「ウェルビーイング」を測定し、政策に活かす試みが進められています。
「食」は健康を支える土台だと当たり前のように考えられていますが、「食」と「ウェルビーイング」の直接的な関係性は明らかになっていませんでした。そこで日清食品と安藤財団は、『「食」は「ウェルビーイング」を構成する重要な要素である』という仮説を検証するため、ギャラップとともに研究調査を実施しました。
その結果、『食事に満足している人は、満足していない人に比べて、「ウェルビーイング」を実感する可能性が1.62倍高い』『「食」は「収入」と同様に「ウェルビーイング」を構成する重要な要素である』ことなどが明らかになり、「食」と「ウェルビーイング」の間には強い関係性があることが世界で初めて立証されました。
日清食品と安藤財団は、今回公開した調査結果をもとに、「ウェルビーイング」の向上につながる「食」のあり方を大学や国際機関などと連携しながら探究していきます。
* 個人の心身や社会が良好で満たされている状態のこと。「自分が幸福であるかどうか」「自分の人生にどの程度満足しているか」などの質問に対する回答を通じて把握する「主観的ウェルビーイング」と、「GDP」「健康寿命」「犯罪発生率」など定量的指標で把握する「客観的ウェルビーイング」に分かれる。
調査結果概要
この「Food Wellbeing Index」と、ギャラップが行う世界規模の世論調査「GALLUP WORLD POLL」で得られた「主観的ウェルビーイング」を測定する指数「Life Evaluation Index」を掛け合わせることで、「食」と「主観的ウェルビーイング」の関係性を分析しました。
その結果、3つの質問にすべて「はい」と答えた人は、1つでも「はい」以外の回答をした人に比べ、「ウェルビーイング」を実感する可能性が1.62倍高いことが分かり、「食」と「ウェルビーイング」の間には強い関係性があることが世界で初めて立証されました。
今回実施した研究調査の結果は、「ウェルビーイング」との関係性が高いとされる「性別」「年齢」「学歴」「収入」などの要素から受ける影響を考慮しても、有意であると考えられます。
また、研究調査を行った国と地域を「Food Wellbeing Index」に基づいて格付けしたところ、トップ10にはオランダ、アイスランド、ドイツ、スイス、オーストラリア、ノルウェーなど、「GALLUP WORLD POLL」で総合的な生活評価が高いとされている国々が多く含まれていました。(下図参照)
[URL] https://www.ando-zaidan.jp/news/pdf/RFW_report2023_ja.pd