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2025.01.14 日清食品

お知らせ

「食」と「ウェルビーイング」の強い関係性を改めて立証
第2回研究調査レポート「Nourishing Wellbeing」を発表

日清食品株式会社 (社長:安藤 徳隆、以下 日清食品) と公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団 (理事長:安藤 宏基、以下 安藤財団) は、一昨年に引き続き米国の世論調査会社であるギャラップ (CEO:Jon Clifton) の協力のもと調査を実施し、「食」と「ウェルビーイング*1」の間には強い関係性があることを改めて立証するとともに、その結果をまとめた「Nourishing Wellbeing」(食とウェルビーイングの関係性レポート 2023年版) を発表しました。

「食」の満足度は「ウェルビーイング」向上の重要指標であることが明確に
「食」は健康を支える土台だと当たり前のように考えられていますが、「食」と「ウェルビーイング」の直接的な関係性は長年明らかになっていませんでした。そこで日清食品と安藤財団は、『「食」は「ウェルビーイング」を構成する重要な要素である』という仮説のもとギャラップとともに一昨年調査を行い、「食」と「ウェルビーイング」の関係性を世界で初めて明らかにしました。

今回行った調査でも、『食事に満足している人は、満足していない人に比べて、「ウェルビーイング」を実感する可能性が1.71倍高い』『「食」は「収入」と同様に「ウェルビーイング」を構成する重要な要素である』ことが明らかになり、「食」と「ウェルビーイング」の間には強い関係性があることが改めて立証されました。また、「食」の満足度と「QOL (Quality of Life)」に関する4つの社会的関連指標*2にも結び付きがあると立証されたことで、「Food Wellbeing Index」自体がより強力な社会的関連指標であることが裏付けられました。

さらに、『若年層を中心に世界的に「食」の満足度が低下している』ことも新たに明らかになっています。専門家は、世界的に家族団らんの機会が減少したことや、国内において親子の関係性が希薄化したことが背景にあると指摘しているほか、「食」を楽しんでいる人の割合が高くない日本の状況について、家庭や教育現場で「ウェルビーイング」を高めるための教育や啓発が必要だと提言しています。

日清食品と安藤財団は、今回公開した調査結果をもとに、「ウェルビーイング」の向上につながる「食」のあり方を大学や国際機関などと連携しながら探究していきます。

*1 個人の心身や社会が良好で満たされている状態のこと。「自分が幸福であるかどうか」「自分の人生にどの程度満足しているか」などの質問に対する回答を通じて把握する「主観的ウェルビーイング」と、「GDP」「健康寿命」「犯罪発生率」など定量的指標で把握する「客観的ウェルビーイング」に分かれる。
*2 生活の質に関連する4つの指標 (人生評価指標、肯定的体験指標、社会生活指標、コミュニティ愛着指標) のこと。

調査結果概要

前回の調査と同様、「食」についての主観的な満足度を測るため、『「食」を楽しめているか』『自身が食べたものは健康的だったと捉えているか』『食事の種類に幅広い選択肢があると感じているか』の3つの質問項目で、142の国と地域の人々を対象に調査を実施し、これら3つの質問すべてに「はい」と答えた人の割合を「Food Wellbeing Index」として定義しました。この「Food Wellbeing Index」と、ギャラップが行う世界規模の世論調査「GALLUP WORLD POLL」で得られた「主観的ウェルビーイング」を測定する指数「Life Evaluation Index」を掛け合わせることで、「食」と「主観的ウェルビーイング」の関係性を分析しています。

1.「Food Wellbeing Index」と「QOL」の関係性の証明
前回の調査で明らかになった「食」と「ウェルビーイング」の間にある強い関係性が、今回の調査でも改めて立証されました。また、「Food Wellbeing Index」は、「QOL」に関する4つの社会的関連指標とも正の相関があることが新たに立証されました。「食」が「主観的ウェルビーイング」だけでなく、より多様な設問から導き出される「QOL」指標とも結び付きがあると言えることから、「Food Wellbeing Index」自体がより強力な社会的関連指標であることを裏付ける結果となりました。

2.世界的な「食」の満足度の低下
今回の調査では、3つの質問項目のうち、『食事の種類に幅広い選択肢があると感じているか』について「はい」と答えた人の割合は微増したものの、『「食」を楽しめているか』『自身が食べたものは健康的だったと捉えているか』について「はい」と答えた人の割合が低下しました。(表1参照)

3.若年層の「Food Wellbeing Index」の低下
「Food Wellbeing Index」を年代別に分析したところ、ほぼすべての年代で低下傾向があり、とりわけ若年層 (15歳~24歳) の数値が大きく低下していることが分かりました。また、この低下傾向は国際連合が発行する世界的な幸福度調査レポート「World Happiness Report 2024」の調査結果とも一致しています。(表2参照)

東京大学公共政策大学院教授 鈴木 寛 (かん) 氏のコメント

「Food Wellbeing Index」は、世界における「食」と「ウェルビーイング」の関係性を浮き彫りにした画期的な調査指標と言えます。世界的な「食」の満足度の低下について、各地で起きる紛争や温暖化問題による「食」への影響のほか、コロナ禍を経て外出の機会が増えたことで家族団らんの機会が減少したことが大きな要因です。特に日本においては、健康へのリテラシーは高い一方、家族との共食を疎かにする傾向があります。国内の教育界においても、親子の関係性の希薄化が大きな課題となっていますが、「食」の面でも裏付けられたことを衝撃的な結果として受け止めています。

全国家庭科教育協会常任理事 小林 美礼 (みれい) 氏のコメント

若者の失業率は先進国全体で依然として高く、開発途上国ではさらに悪化している傾向があります。世界の若者の約20%がNEET (ニート) であることは問題です。
今回の調査に関して日本の数値を見ると、日本の学校では食育が実践されているにも関わらず、「食」を楽しんでいる人の割合が高くありません。特に若年層 (15~24歳) の「食」の満足度が低いという調査結果を受け、日本の家庭科を含めた学校教育は、若年層を取り巻く社会環境を考慮し、家庭への啓発にも力を入れながら、「ウェルビーイング」をさらに向上させることを目指し、努力していく必要があると考えます。

ギャラップ世界世論調査「GALLUP WORLD POLL」について

ギャラップが2005年より毎年実施している世界最大の世論調査。15歳以上を対象に1カ国あたり約1,000人に調査が行われており、世界の人口 (15歳以上) の95%以上を網羅する140以上の国と地域で実施されています。その調査データは、世界各国の政府、NGO、民間組織が直面する難題の解決に活用されています。

公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団について

公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団は、創設者 安藤 百福 (ももふく) が掲げた「食とスポーツは健康を支える両輪である」との理念のもと、陸上競技やテニス、バスケットボールなどのスポーツ支援、自然体験活動の普及に取り組んでいるほか、発明記念館の運営、新しい食品の創造につながる研究、開発を奨励する表彰事業を実施しています。日清食品グループは安藤財団の理念に賛同し、その活動を積極的に支援しています。

「Nourishing Wellbeing」(食とウェルビーイングの関係性レポート 2023年版) について

日清食品と安藤財団が、ギャラップの協力のもとにまとめた「食」と「ウェルビーイング」の関係性に関する調査結果レポートです。詳細は、安藤財団のウェブサイトでご覧いただけます。
[URL] https://www.ando-zaidan.jp/news/pdf/NW_report2023_ja.pdf
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