食品の安全について
日清食品 食品安全研究所
日清食品 食品安全研究所「残留動物用医薬品の一斉分析法」の開発について
豚や牛、エビ、ウナギなど畜水産物には、生産性の向上や家畜などを病気から守ることを目的に、抗生物質や合成抗菌剤などの動物用医薬品が使用されています。これは今日の食料生産を支える上で重要な役割を担う一方、畜水産物に抗菌性物質が残留している食品を長期間摂取すると、腸内細菌叢(そう)が変化して、病気になって薬を飲んでも薬が効かないといったことが起こる可能性があるといわれています。昨年には、海外から輸入された養殖エビから食品衛生法で残留が認められていないテトラサイクリン系抗生物質が見つかり、エビが回収される騒ぎがありました。こうした状況を背景に弊社では畜水産物によく使用されている抗生物質や合成抗菌剤を独自にピックアップし、「38種類の残留動物用医薬品一斉分析法(NASVED-38)」を開発いたしました。この分析法の導入により具材などで使用する畜水産素材中の残留抗生物質および合成抗菌剤の検査をおこない、弊社製品の安全性を高め、信頼を確保してまいります。
弊社では、平素より「食品の安心と信頼」を重要課題とし様々な取り組みを進めてまいりました。2002年には約300種類の残留農薬が一斉分析できる「NASRAC-300」を開発、検査態勢を確立しています。今回の「38種類の残留動物用医薬品一斉分析法(NASVED-38)」を導入することで、弊社製品の安全性はさらに高まることになります。
(注)
NASVED(ナスベッド):Nissin's Analytical Systems for Veterinary Drugs
NASRAC(ナスラック):Nissin's Analytical Systems for Residual Agricultural Chemicals
38種類の残留動物用医薬品一斉分析法(NASVED-38)の概要
本システムの能力は、38種類の多成分を一斉に分析し、5日間で数検体の処理が可能です。
日清食品の食品の安全性に対する最近の取組み
・ 2001年 農薬57種類が一度に分析できる「残留農薬の検査システム(NASRAC-57)」開発。翌年、約300種類の農薬が一括に検査できる 「NASRAC-300」を開発、導入。
・ 2001年 「食中毒菌群の迅速一括検査法」の開発・導入。