お知らせ
食品に含まれる発がん性物質の新しい検査法
-食品に含まれる発がん性物質の新しい検査法-日清食品 食品安全研究所ヒト細胞変異原性試験法(NESMAGET)を拡充
開発の背景
(1) | 細菌で検出できなかった変異原性物質が検出できる。 | ||
(2) | 顕微鏡観察などの煩雑な操作が必要でなく、操作が簡便である。 | ||
(3) | 96穴プレートを使用するため一度に多数のサンプルについて約一日で結果が得られる。 |
ヒト細胞変異原性試験法拡充の理由
細胞株に対する数種の変異原性物質の影響に対する検査結果
(1) | 多臓器発がんを引き起こすMNNG(N-メチル-N’-ニトロ-N-ニトロソグアニジン)は、すべての細胞において陽性反応を示しました。 | |
(2) | 高タンパク食品を過熱調理することで生成されるヘテロサイクリックアミンのひとつであるPhIP(2-アミノ-1-メチル-6-フェニルイミダゾ[4,5-b]ピリジン)は、乳がんおよび消化器系のがんの原因であると考えられています。この物質は、本試験法において、乳がんと結腸がん由来細胞のみで陽性反応を示したことから、由来臓器選択性があることが示唆されました。 | |
(3) | 乳がん細胞が変異原性物質の検出力および反応性が高いことから、本試験に一番適していることが示唆されました。 |
本試験法は、医薬品、食品由来のあらゆる化学物質のヒトに対する変異原性を検出するためのファーストスクリーニングとして適用可能であることが示唆されました。
当社製品への安全性向上への寄与について
(ご参考)
<ヒト細胞変異原性試験法(NESMAGET)の原理>
細胞分裂時に重要な役割をするp53タンパク質がDNAに損傷を受けると2リン酸化され、DNA修復遺伝子p53R2を発現します。この遺伝子発現をルシフェラーゼ(ホタルの発光酵素)に置き換えて、そこに基質を加え、発光量を指標として変異原性を測定するものです。
NESMAGET: Nissin’s Evaluation Systems for Mammalian GenoToxicity