新たな食文化さえも創造していく
好きなものを、好きなときに、
好きなだけ楽しめる世界を実現
新たな食文化さえも
創造していく
好きなものを、好きなときに、
好きなだけ楽しめる
世界を実現
日清食品株式会社 ビヨンドフード事業部 マーケティング部 BtoCフローズングループ 2012年入社
星野 朝也
社員の所属は取材当時のものです。

- THEME 01 -

誕生の経緯

既存の枠にとどまるな
食文化を創造する新規事業

これまで当社は、即席麺を中心とした数多くの商品を展開してきましたが、2015年、代表取締役社長へ就任した安藤徳隆は、
“Beyond Instant Foods”という新たなスローガンを掲げました。そして、当社の活躍を新たなフェーズへと進めるため、インスタント食品の枠を超えた新規事業の構想が始まったのです。
そこから、最適化栄養食プロジェクトが生まれました。食を通じた社会貢献の一つとして考えた、「#日本を未病対策先進国へ」という試みです。このプロジェクトは、当社の創業者安藤百福の考えも強く活きています。創業者精神の一つ「美健賢食(美しく健康な体は賢い食生活から)」からもわかるように、当社は食を通じた健康作りもミッションとして掲げています。その使命を根本から全うできる事業が生まれたということです。
2019年10月には「Beyond Instant Foods Lab」が新設され、その後、2022年5月、ついに「完全メシ」が誕生しました。第一弾として発売されたのが「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」をはじめとした湯かけ調理の商品や、「完全メシ グリーンスムージー」などのドリンク商品です。やみつきになるおいしさに加え、三大栄養素のバランスが整っているので、楽しく続けられる食品として人気を集めました。そこから4ヶ月後の9月には、本格的なおいしさを兼ね備えた「冷凍 完全メシ」シリーズがリリースされ、現在オンラインストアの定期購入コースを中心に展開が広がっています。「栄養とおいしさの完全なバランスを追求」という新しい食のコンセプトが受け入れられ、「完全メシ」は、高水準のリピート率を誇っています。

- THEME 02 -

成功した理由

おいしいのは当たり前
楽しく食べ続けるための創意工夫

まず、「完全メシ」最大の強みは「おいしく楽しく食べ続けられる食品であること」です。健康作りをサポートする食品と聞くと、「無理したり我慢したり、頑張って続けるもの」というネガティブなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。しかし「完全メシ」は、SNSなどで消費者から、「普段の食事と同じ感覚で楽しく置き換えられる!」というポジティブで嬉しい声が届いています。
当社は常に「おいしさと楽しさにとことんこだわる!」というマインドを持って新商品の展開をしています。例えば「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」は、従来の「カレーメシ」の「ルゥでもレトルトでもない、“第3のカレー”」という立ち位置はそのままに、栄養バランスを整えた商品に進化させました。そして「冷凍 完全メシ」シリーズは、素材の特長を生かした本格的なおいしさと、メニューの豊富さも人気の秘密です。かつ丼・ボロネーゼ・ピザ・お好み焼など、2024年1月現在で17種類ものラインアップを販売しています。また毎日の食生活で、冷凍庫から選ぶときにワクワク楽しくなるようなデザインも追求しています。
おいしさや楽しさにこだわった上で、短期間で幾多の試練を乗り越えながら、ここまで数多くの新商品を出し続けています。これが実現できたのは、当社が大切にしてきたチャレンジ精神とスピード感があったからだと思います。

- THEME 03 -

困難と、解決への道

新たな挑戦ゆえの壁も
周囲を巻き込み乗り越える

これまでの当社の歴史になかった挑戦をする分、立ちはだかる壁もたくさんありました。特に色濃く記憶に残っていることは二つあります。
一つ目の挑戦は、「栄養とおいしさのバランスが整った食品」であると世に広めることです。単に栄養素の情報を挙げるだけでは食べようと思えないでしょうし、手軽においしく食べられると伝えるだけでは、当社の既存商品と同じです。そんなあるとき、社長やプロジェクトチームでアイデアを出し、「完全メシ」というブランドを立上げられたことは大きな一歩でした。このブランドが生まれたからこそ、日清食品らしいユニークさがありながら、商品の魅力を一言で伝えられたのだと確信しています。また、「一見ジャンクなのに、実はヘルシーな食品」であると消費者にうまく伝えるための表現の工夫も大切なポイントでした。
二つ目の挑戦は、「冷凍 完全メシ」シリーズの商品開発と通販事業の立ち上げです。担当として冷凍食品のノウハウがなかったことに加え、冷凍食品の通販という販売形態も初の試みでした。そこで、日清食品冷凍などのグループ会社をはじめ、社内外の関係者にたくさんの協力を仰ぎました。「完全メシ」のビジョンに共感してもらい、冷凍食品の製造・物流・販売という一連のビジネスモデルを作りあげ、消費者に価値を提供することができたのです。
「外部の英知を巻き込み、事業を加速させよ。」――これは、当社の行動規範「日清10則」の一つです。ゼロからのスタートでしたが、これまで培ってきた日清食品の強みに、グループ会社や社外のノウハウを掛け合わせることで、最大級のシナジーが生まれました。だからこそ「完全メシ」は無事ヒットできたのだと思います。

- THEME 04 -

「完全メシ」は、
人類をどうHAPPYにできるか

シーンや嗜好に合わせた
ラインアップで健康を支える

「完全メシ」は、あらゆる層の生活において、「おいしく健康を支えられるもの」であると自信を持って言えます。年齢や性別、生活習慣など、ひとりひとりの生活のあらゆるシーンや嗜好に合わせた商品が誕生しています。
栄養バランスが気になりはじめた男性に向けた「カレーメシ 欧風カレー」、時間がないときの朝食やスキマ時間の小腹満たしに最適な「スムージー」、本格的なメニューを電子レンジ調理で簡単に楽しみたい在宅ワーカー向けの「冷凍 ボロネーゼ」、ワンランク上のおいしさにこだわるシニア世代向けの「冷凍 三ツ星かつ丼」などを展開しています。あらゆる方の生活を「おいしさ」と「栄養」の両輪で支え続け、体も心もHAPPYで笑顔が溢れる暮らしに貢献していくことが、「完全メシ」の役目だと思っています。
また「完全メシ」の目指す世界は、一部の健康意識が高い方だけに向けた展開ではありません。全ての方に手軽でバランスの良い食事を提供し、Well-beingの向上に貢献していくことです。例えば、企業の社員食堂への提供はその代表例です。今後は小売業向けデリカとの協業や医療機関との連携を進めるなど、地域を巻き込んだ価値創造にもチャレンジしていく予定です。

- THEME 05 -

今後の展開

「即席麺の日清食品」から
FUTURE FOOD CREATORへ

近い将来、「完全メシ」を100億円ブランドにすることを目指しています。
その目標に向けて、マーケティング戦略には引き続き力を入れていきます。宣伝広告を通じて理解促進を図るだけでなく、あらゆる視点でタッチポイント(消費者との接点)を広げ、さまざまな消費者ニーズに迅速に応えることが重要な使命です。そうして生み出した豊富なラインアップを武器に、日本の新しい食習慣として根付かせていきたいです。これまでのような食事メニューにとどまらない、新規ジャンルのメニューも構想中です。当社らしいスピード感とユニークさは忘れないように突き進みたいですね。
2022年の誕生から現在に至るまで、「完全メシ」は多くの方に愛されています。リピート率や認知率が右肩上がりなのも、その証です。しかし、まだまだ若いブランドということもあり、伸びしろはたっぷりあります。このブランドをもっと広く世に広めて
“Beyond Instant Foods”を実現していきます。「即席麺の日清食品」というイメージから「FUTURE FOOD CREATOR」と、世の中に認知してもらえるようになれれば本望です。