日清食品グループ

リセット

気候変動

方針

日清食品グループは、気候変動を重要な経営リスクの1つとして位置付けています。原材料価格の高騰や製造工場の被害、消費者の購買活動の変化など、当社グループの事業は気候変動によってさまざまな影響を受けるためです。2020年4月には、気候変動問題への取り組みを加速し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指すため、環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を策定しました。気候変動問題に関しては、省エネルギー施策の実施や再生可能エネルギー、高効率なエネルギー設備の導入などを進め、2050年までにCO2の排出量と吸収量を"プラスマイナスゼロ"にする「カーボンニュートラル」の達成を目指しています。
その中でも特に重要なエネルギー管理に関しては、国内グループ会社の製造工場におけるエネルギーの消費量や効率性の改善状況などを独自の基準に基づき監査、評価しています。また、外部専門機関による省エネルギー診断を活用し、エネルギーパフォーマンスを改善するための機会を特定しています。さらに、エネルギー消費量の削減を目指し、研究・開発への投資を進めるとともに、教育や研修を通じて従業員の意識向上に努めています。

カーボンニュートラル宣言

目標

温室効果ガス

日清食品グループの環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」では、以下の目標を掲げています。

[2030年度までの目標]
  • Scope 1 + 2※1 42%削減 (2020年比/国内外)
  • Scope 3※2 25%削減 (2020年比/国内外)

目標数値は2023年5月に上方修正したもので、現在、SBT ※3認定を申請しています。(上方修正前の目標数値ではSBT認定を取得済み)

  • ※1Scope 1は、主に自社での化石燃料の使用によって排出される温室効果ガス (直接排出)。Scope 2は、主に自社が購入した電気や蒸気の使用によって排出される温室効果ガス (間接排出)
  • ※2Scope 3は、主に自社のバリューチェーン (原料調達、輸送、廃棄など) で排出される温室効果ガス (Scope 1、2除く)
  • ※3Science Based Targetsの略。産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えるために、企業が科学的根拠に基づいて設定する温室効果ガス排出削減目標

また、2050年までのネットゼロ実現に関するコミットメントレターをSBTi (Science Based Targetsイニシアティブ) に提出しています。

[2050年度までの目標]
  • 2050年ネットゼロ実現に向け、Scope1、2、3の総排出量90%以上削減 (2020年比/国内外)
  • 残りの削減量は、大気中からの炭素除去などによってネットゼロ実現

目標数値は、現在SBT認定を申請しています。

エネルギー

「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」に従い、エネルギーの消費に関する目標を掲げています。

  • 中長期的に年平均1%以上のエネルギー消費原単位低減の実現 (国内)

対象:国内の製造工場

TCFD対応

概要

TCFD (気候関連財務情報開示タスクフォース) は、気候関連の情報開示などをどのように行うかを検討するため、主要国の中央銀行や金融関連省庁からなる金融安定理事会によって設立されました。日清食品グループは、TCFDが提言する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に関する情報開示に賛同するとともに、2019年5月に設立された「TCFDコンソーシアム※」に参画しています。

  • TCFDの提言内容に賛同する企業の効果的な情報開示の在り方や、金融機関などが開示された情報を適切な投資判断につなげるための取り組みについて議論する会合

TCFDが提言する開示項目に対する日清食品グループの取り組み

ガバナンス 2020年4月に代表取締役社長・CEOを委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、気候変動が当社グループにもたらすリスクと機会の特定、対応を検討しています。同委員会は環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を策定し、経営会議での承認を経た後、取締役会に本戦略を報告しました。
また、2021年4月には取締役会の諮問機関として「サステナビリティ・アドバイザリーボード」を設置し、当社グループに影響を及ぼすESG (環境、社会、ガバナンス) の課題について、社内経営層と社外有識者が協議する機会を設けています。協議した内容はウェブサイトなどで開示し、会社の経営方針や各種施策に反映していきます。
戦略 環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」は、2019年度に実施した気候変動のシナリオ分析の結果をもとに、CO2排出量、水使用量、廃棄物における数値目標を掲げています。目標の達成に向けて取り組むことで気候変動リスクを低減するとともに、ビジネス機会の創出を目指し、植物代替肉の開発や使用推進、培養肉をはじめとする環境負荷の低い原材料の開発などの取り組みを進めていきます。
リスク管理 取締役会の管理下に「総合リスク対策委員会」を設置しています。同委員会は、環境リスクを含むさまざまなリスクの管理状況を把握し、企業価値の毀損を回避するよう努めています。
指標と目標 環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」において、2030年までにScope 1、2※1排出量を42%削減し、Scope 3※2排出量を25%削減する目標を掲げています (2020年比)。そのほか、廃棄物、原材料調達、水使用量に関する目標を掲げています。詳細は、環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」特設ページをご覧ください。
日清食品グループ環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」
  • ※1Scope 1は、主に自社での化石燃料の使用によって排出される温室効果ガス (直接排出)、Scope 2は、主に自社が購入した電気や蒸気の使用によって排出される温室効果ガス (間接排出)。
  • ※2Scope 3は、主に自社のバリューチェーン (原料調達、輸送、廃棄など) で排出される温室効果ガス (Scope 1、2除く)。

気候変動のシナリオ分析

当社グループでは、事業活動に気候変動が及ぼす影響を把握するためにプロジェクトチームを立ち上げ、2017年に公表されたTCFD (気候関連財務情報開示タスクフォース) 提言を踏まえたシナリオ分析を実施しました。

まず、気候変動が原材料調達から工場の稼働、製品製造に及ぼす移行リスクと物理リスクを洗い出しました。移行リスクとは炭素税の導入など低炭素経済への移行に伴って生じる変化からもたらされるリスク、物理リスクとは洪水や干ばつなど自然災害等によってもたらされるリスクを指します。

次に、事業への影響度が高い気候変動関連リスクを重点的に分析しました。その結果、主要な原材料の調達に関わるリスクが当社グループの中長期的な成長を阻む可能性は少ないと判断しました。一方で、温室効果ガスに対する排出規制が強化され炭素税が上昇した場合、当社グループの収益に大きな影響を与える可能性があることが判明しました。

想定されるシナリオ

当社グループではIPCC (気候変動に関する政府間パネル) レポート、IEA (国際エネルギー機関) レポートに基づき、2030年以降のシナリオを3種類策定し、それぞれのリスクおよび機会について考察・分析しました。

想定されるシナリオ 想定される世界観 想定される炭素価格
①世界が温室効果ガス実質ゼロへ加速化するシナリオ
(規制が広く導入され気温上昇抑制に成功する:産業革命以前と比べた気温上昇は1.5°Cや2°Cを想定)
炭素税やプラスチック関連の規制強化、グリーンファイナンス拡大による資本市場構造の変化、さらにエシカル消費の拡大など、社会全体が脱炭素に向かい、温度上昇の抑制に成功するシナリオ 炭素税は100ドル/tCO2と仮定 (IEAに準拠)
(中国は75ドル/tCO2)
②温室効果ガス排出規制が強化されるものの、気温上昇が抑えられないシナリオ
(さまざまな規制が強化されても温暖化が進行する:産業革命以前と比べた気温上昇は4°Cを想定)
炭素税や国境炭素税の導入などによって排出規制が強化されるものの、気候変動の緩和には至らず、移行・物理リスクいずれの対応も迫られる 炭素税は0ドル/tCO2と仮定 (IEAに準拠)
(中国は23ドル/tCO2)
③温室効果ガス排出規制が強化されず、気温上昇が促進されるシナリオ
(規制が限定的なため温暖化が進行する:産業革命以前と比べた気温上昇は4°Cを想定)
規制が限定的で温暖化による自然災害が頻発し、ビジネスの停止リスクが高まり、かつ人々の食料品の入手難易度に影響を及ぼす 炭素税は0ドル/tCO2と仮定 (IEAに準拠)
(中国は23ドル/tCO2)
  • 環境や社会に配慮した製品を選んで購入する倫理的な消費活動
想定されるシナリオとリスクの相関性
当社グループ全体 (新規事業も含む) を対象に、想定されるシナリオごとに以下の対応策 (適応策) を実施します。また、対応策の効果を検証するため、短期、中期、長期でモニタリングしていきます。

1. 世界が温室効果ガス実質ゼロへ加速化するシナリオ

想定される当社グループへの影響
脱炭素や低炭素を念頭においた経済活動が活発化し、世の中が規律型社会へと変革していきます。各国政府によって炭素排出に関する規制が強化されることで、当社グループの環境分野における責任範囲がバリューチェーン全体に拡大し、規制への対応や研究開発に要するコストの上昇が見込まれます。また、環境意識の高まりが消費者の行動変容につながり、当社グループの売上にも影響を及ぼすと想定されます。

<適応策>

【調達】
各国政府により、原材料生産に対する脱炭素への規制や要求が強化されます。当社グループは、環境や人権に配慮した原材料の調達をさらに進めるべく、農作物生産者に向け、低炭素に資する技術の発展 (土壌改良や栽培方法など) や労働環境の向上のための支援を行っていきます。また、当社グループとサプライヤーとのエンゲージメント※を構築していきます。
  • 建設的な目的を持った対話
【生産・物流】
カーボンプライシング※1による課税や、プラスチックをはじめとする石化由来原料に対する規制などにより、石油に依存する企業活動は転換を迫られます。当社グループは「製品設計時のプラスチックの減容化」「バイオマス素材の採用拡大」「製造工場での省エネ施策」「再生可能エネルギーの利用」を推進し、さらに、水素エネルギーなどの新技術を利用した環境配慮型の製造設備導入を検討していきます。また、「モーダルシフト※2や電動車への切り替え」「地産地消による輸送CO2排出量の削減」など、効率的な物流体制の構築にも努めていきます。
  • ※1炭素排出に価格付けをする仕組み
  • ※2貨物や旅客の輸送手段の変更
【販売】
エシカル消費意識の高まりや石化由来包装への嫌忌など、消費者の行動や意識が変容します。当社グループは、バイオマスプラスチック※を使用した環境配慮型容器の採用を推進し、さらに、植物代替肉の活用など環境に配慮した製品を拡充していきます。
  • 動植物などの生物から作り出される有機性のエネルギー資源

2. 温室効果ガス排出規制が強化されるものの、気温上昇が抑えられないシナリオ

さまざまな規制が強化されても温暖化が進行する (産業革命以前と比べた気温上昇は4°Cを想定)

想定される当社グループへの影響
温室効果ガス排出規制が強化されるものの気候変動の緩和には至らず、自然災害による物理的被害やカーボンプライシングによる課税などが企業経営を圧迫します。また、社会や経済が不安定になるとともに、人々の生活様式が大きく変化します。当社グループにおいては、サプライヤーや生産・物流拠点における供給停止リスクが高まるとともに、規制強化による収益減少の可能性が高まると想定しています。

<適応策>

【調達】
地球温暖化の影響により、穀物や畜産・水産資源の収穫量と収穫地域が変化し、自然災害の増加が予想されます。当社グループは、原材料の生産・調達手法の多様化 (調達先の分散、供給網の再構築など) を図り、災害に強い調達体制を構築します。
【生産・物流】
気候変動の抑制に歯止めがかからないことから、国際的な枠組みも有名無実化し、自然災害による物理的な被害が深刻化します。当社グループは、生産・物流体制におけるBCP (事業継続計画) を強化します。
【販売】
気温上昇により温かい製品を敬遠するなど、消費者の考え方や行動に変化が起きると予想されます。また、熱中症や感染症などの増加も見込まれます。当社グループは、カーボンニュートラルを目指した製品や、気温が高くてもおいしく食べられる製品の提案、健康に配慮した製品・サービスの提供、さらに防災備蓄品として有益なインスタントラーメンの販路拡大などを通じて、新たな需要を発掘し、ビジネス機会を創出していきます。

3. 温室効果ガス排出規制が強化されず、気温上昇が促進されるシナリオ

規制が限定的なため温暖化が進行する (産業革命以前と比べた気温上昇は4°Cを想定)

想定される当社グループへの影響
低炭素化を推進する政策や規制が限定的に実施されることで地球温暖化が進行し、プラスチックや廃棄物に関するルールが有効に機能しません。自然災害の発生が増え、被害も深刻化することによって社会や経済が不安定になり、人々の食料入手が困難になると予想されます。当社グループにおいては、自然災害の影響によってサプライヤーや生産・物流拠点における供給停止リスクが高まると想定しています。

<適応策>

【調達】
地球温暖化の影響により、サプライチェーン全般において供給能力の低下や供給停止のリスクが高まります。当社グループでは、原材料の生産・調達手法の多様化 (調達先の分散、供給網の再構築など) を図り、収穫量や収穫地域の変化を想定したリスク分散型の調達体制を構築します。
【生産・物流】
地球温暖化の影響による自然災害の増加が、サプライチェーン全般に影響を及ぼすことが想定されます。当社グループは、地産地消の推進や屋内で農作物を生産する植物工場の設置を進めます。製品の製造においては、自然災害による物理的被害に備える保険内容の精査、水リスクの低減をはじめとしたBCP (事業継続計画) 強化、エネルギー効率の高い生産・物流体制の構築を目指します。
【販売】
環境活動やエシカル消費などに対する消費者の意識は停滞し、健康増進や非常時を想定した製品やサービスへのニーズが高まります。当社グループは、健康面の機能に特化した製品を主力とするビジネスを展開します。

事業にあたえるインパクト

代表取締役社長・CEOを含めた経営層に、気候変動が当社グループに及ぼすリスクと機会への認識を深めてもらうため、事業に与える財務的影響についても報告しています。
また、気候変動は不確実性が高いことから、科学的根拠をもとにして、財務に及ぼす影響を引き続き分析・評価していきます。なお、当社グループの環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」は、今回の分析結果をもとに策定したものであり、その目標達成に向けて取り組みを進めることで、気候変動リスクを低減し、機会を創出できる企業体を目指していきます。
上記3つのシナリオにおける移行・物理リスクが財務に及ぼす影響を試算した結果、いずれのシナリオにおいても、対策を講ずることで財務への影響を最小限に抑え、レジリエンス経営を推進することが可能と判断しています。しかしながら、移行・物理リスクは不確実性が高いため、今後も影響度を試算していきます。

主なリスクによる財務への影響度とその対応策 (適応策)

主なリスク 主なリスクへの対応 (財務への影響軽減策)
移行リスク 炭素税、国境炭素税などの規制 製造工場への省エネ設備やシステムの導入
再生可能エネルギーの導入拡大
環境に配慮した製品の販売
物理リスク 水リスク (水害や水枯渇など) 製造工場などにおける水リスクの多角的な分析調査
水の再利用などをはじめとした製造工場における効率的な水の使用
原材料調達先の変遷 植物代替肉や培養肉などの開発
植物代替肉や培養肉などを利用した製品の開発
持続可能なパーム油の調達

日清食品グループへの影響度が高い気候変動リスク

1. 原材料調達

製品に使用する主要な原材料のうち、小麦、大豆、エビ、イカについては、複数の研究機関のシミュレーションモデルの結果を適用しました。その上で、気候変動の進行に伴う収穫量や漁獲可能量の変化を原材料の主要産地 (国・地域) ごとに評価しました。このシナリオ分析には、IPCC (気候変動に関する政府間パネル) の温暖化の進行に関するシナリオ (RCP:代表的濃度経路) と社会経済に関するシナリオ (SSP:共通社会経済経路) を用い、TCFDが求める2°Cシナリオを含む複数の異なる条件下で分析しました。そのほか、パーム油についても気候変動に伴う収穫量の変化を評価しました。その結果、主要な原材料の調達に関わるリスクが当社グループの中長期的な成長を阻む可能性は少ないと判断しました。

適用したシミュレーション

小麦 農業・食品産業技術総合研究機構 “Responses of crop yield growth to global temperature and socioeconomic changes” における分析モデル
USDA (米国農務省) “Climate Change and Agricultural Risk Management Into the 21st Century” における分析モデル
大豆 農業・食品産業技術総合研究機構 “Responses of crop yield growth to global temperature and socioeconomic changes” における分析モデル
エビ、イカ FAO (国連食糧農業機関) “Projected changes in global and national potential marine fisheries catch under climate change scenarios in the twenty-first century. In: Impacts of climate change on fisheries and aquaculture, 63.” における分析モデル
【小麦、大豆】
RCP2.6 (1986~2005年を基準としておおよそ1°C前後の上昇)、RCP6.0 (おおよそ2°C前後の上昇)、RCP8.5 (おおよそ4°C前後の上昇) の3つのシナリオで、2050年および2100年までの影響を分析しました。
その結果、オーストラリアにおける小麦の2000年比面積単位収穫量はRCP2.6およびRCP6.0で増加することが予想されます。RCP8.5でも2050年までは増加するものの、その後、減少に転じることが見込まれています。一方、アメリカ、カナダでの収穫量は、大きな変化がないと予想されています。大豆の2000年比面積単位収穫量は、RCP2.6では増加傾向にありますが、RCP6.0とRCP8.5では減少傾向となり、特にRCP8.5の2100年では大きな減少が見込まれています。

小麦と大豆の単位面積当たりの収穫量の変化率 (%)

対象原料 原産国 RCP2.6, SSP1 RCP6.0, SSP2 RCP8.5, SSP3
2000⇒2050 2000⇒2100 2000⇒2050 2000⇒2100 2000⇒2050 2000⇒2100
小麦 オーストラリア ↑↑ ↑↑ ↑↑
アメリカ
カナダ
大豆 アメリカ ↑↑↑ ↓↓ ↓↓↓
表の見方
+影響 -影響
50%超 ↑↑↑ ↓↓↓
25%超~50% ↑↑ ↓↓
5%超~25%
±5%以内
【エビ、イカ】
2種類のシナリオの下、RCP2.6とRCP8.5における2050年および2100年までの漁獲可能量の変化を評価しました。
その結果、インドにおけるエビの漁獲可能量はいずれのモデルでも減少が予想されています。また、イカについても、ペルーにおける漁獲可能量はいずれのモデルでも減少傾向と見込まれています。一方、チリではモデルにより減少傾向と増加傾向の違いが見られました。平均するとRCP2.6では大きな変化がありませんが、RCP8.5では増加が予想されています。これらを踏まえて分析したところ、エビやイカなどの海産物については、漁獲可能量が減少傾向にあるものの、原材料の調達において事業に深刻な影響を与えるリスクは小さいことが判明しました。

漁獲可能量の変化率 (%)

対象原料 原産国 RCP2.6 RCP8.5
2000⇒2050 2000⇒2100 2000⇒2050 2000⇒2100
エビ インド ↓↓
イカ ペルー ↓↓
チリ
表の見方
+影響 -影響
50%超 ↑↑↑ ↓↓↓
25%超~50% ↑↑ ↓↓
5%超~25%
±5%以内
【パーム油】
研究機関によるシミュレーションモデルが入手できなかったため、IUCN (国際自然保護連合) などの報告書※とIPCCの地域別気候変動シナリオを用いて分析しました。パーム油生産量の85%をマレーシアとインドネシアが占めていることから、調査対象はこの2カ国の主要生産地であるマレー半島、ボルネオ島、スマトラ島としました。
アブラヤシの生育に適した気温は、平均最高気温が30〜32°C、平均最低気温は21〜24°Cとされています。RCP2.6における評価では、最高気温、最低気温ともに育成適温の上限から0〜2°C程度の乖離が予想されており、パーム油の収穫量減が懸念されるものの、栽培は継続できることがわかりました。一方、RCP8.5における評価では、生育に適した気温から乖離していく予想となっており、パーム油の収穫量は減少していくことがわかりました。
これらの予測結果に当社グループの国・地域別のパーム油の調達比率を加えた上で、原材料の調達費をはじめとした当社グループの財務に与えるインパクトを算出していきます。
  • IUCN, Oil palm and biodiversity, June 2018、およびSEnSOR, Potential Impacts of Climate Change on Oil Palm Cultivation, December 2017

2. 製造拠点および取引先製造工場における物理的リスク (風水害および水リスク)

洪水や高潮といった異常気象の発生と、干ばつや水ストレス (水不足) などの水リスクが当社グループの各製造拠点に与える影響を評価しました。
評価方法は、まず公開資料や外部専門家から提供された資料に基づき、洪水、高潮の発生リスクが高い拠点を特定しました。その拠点に対し、RCP2.6、RCP4.5、RCP8.5の中から2つのシナリオを適用し、災害が発生した際の被害の大きさの変化を2030年から2100年の間で拠点別に分析しました。この分析結果でリスクが高いと評価された製造拠点に対しては、さらに詳細な調査を実施するとともに、必要に応じてBCP (事業継続計画) 対策を講じてリスクの低減に努めます。
一方、当社グループとの関係性が強い取引先の製造工場に対しては、工場所在地における水リスクについてAQUEDUCT※を用いて把握しています。分析の結果、リスクが高いと判断された工場には、工場責任者へのヒアリング、現地工場への視察といった補足的な調査を実施する体制を整備しています。

  • 国際環境NGO「世界資源研究所 (WRI)」が提供する世界各地域の水リスクを示したマップ
【洪水】
リスクが高いと見られる製造拠点は国内4拠点、海外1拠点でした。しかし、将来におけるリスク変化はありませんでした。
洪水リスク 高リスクと評価した拠点数
評価時点 2050年 2085年
- RCP4.5 RCP8.5 RCP4.5 RCP8.5
国内工場
(29拠点中)
4拠点 4拠点 4拠点 4拠点 4拠点
海外工場
(23拠点中)
1拠点 1拠点 1拠点 1拠点 1拠点
【高潮】
リスクが高いと見られる製造拠点は国内4拠点でした。
高潮リスク 高リスクと評価した拠点数
評価時点 2050年 2100年
- RCP2.6 RCP8.5 RCP2.6 RCP8.5
国内工場
(29拠点中)
3拠点 4拠点 4拠点 4拠点 4拠点
海外工場
(23拠点中)
0拠点 0拠点 0拠点 0拠点 0拠点
【干ばつ】
評価時点と比較して、2055年および2090年までにリスクが増大すると判明した拠点は南米と欧州の拠点でした。
干ばつリスク 高リスクと評価した拠点数
評価時点 2055年 2090年
- RCP4.5 RCP8.5 RCP4.5 RCP8.5
国内工場
(29拠点中)
0拠点 0拠点 0拠点 0拠点 0拠点
海外工場
(23拠点中)
2拠点 3拠点 3拠点 2拠点 3拠点
【水ストレス (水不足)】
Aqueduct Water Risk Atlas※の水ストレスの将来予測 (2030年、2040年) を用いて、国内外の製造拠点の水リスクを確認した結果、リスクが最も高い拠点は国内で4拠点、海外で7拠点あることが判明しました。該当する地域の物理的リスク、規制リスク、レピュテーション (企業評判・評価) リスクを洗い出し、各リスクに対する防止策を実施することで、工場稼働に必要な水の質・量の確保に努めています。また、製造工場では日頃から製品製造の工程に必要な水使用量を削減することに加え、冷却に使用した水を設備の清掃に利用するといった水の再利用にも取り組んでいます。
  • 国際環境NGO「世界資源研究所 (WRI)」が公表するレポート
水ストレス 高リスクと評価した拠点数
評価時点 2030年 2040年
- RCP4.5 RCP8.5 RCP4.5 RCP8.5
国内工場
(29拠点中)
0拠点 4拠点 4拠点 4拠点 1拠点
海外工場
(23拠点中)
5拠点 7拠点 7拠点 7拠点 7拠点

水使用量の削減

3. カーボンプライシング

当社グループの2050年までのCO2総排出量の推移予測とIEA WEO2019の「Sustainable Development Scenario」による炭素価格の将来予測を活用し、炭素税や排出量取引制度が当社グループに及ぼす影響額を試算しました。当社グループは、SBT (科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標) に合致した目標を環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」に策定しています。このSBT目標達成に取り組むことで、2030年に年間約11億円、2040年に年間約32億円を削減できる可能性があります。ただし、カーボンプライシングについては、各国の政策によって大きく影響を受けるため、今後も最新の情報をもとに定期的に試算していきます。

影響試算額

(上段:百万円/年、下段:千USD/年 (1USD=110円))
2030年 2040年 2050年
SBT目標WB2°C (世界の気温上昇を産業⾰命前より2°Cを⼗分に下回る⽔準) に向け、取り組まなかった場合 3,747
34,068
5,886
53,513
7,323
66,576
SBT目標WB2°Cを達成した場合 2,623
23,847
2,649
24,081
1,465
13,315
差額 1,124
10,221
3,237
29,432
5,858
53,261

気候変動による機会

近年、台風や洪水といった大規模な自然災害が各国で発生する中、当社グループの主力製品であるインスタントラーメンは、常温での長期保存が可能で、災害時でも手軽に温かい食事をとれることから、防災備蓄食品として非常に有用です。2019年9月に発売した「カップヌードル ローリングストックセット」は、3日分 (9食) の食料とカセットコンロ、水、ソーラーライトなどをセットにしたもので、サブスクリプションサービスにより3カ月ごとに入れ替え用の製品が自動的に届きます。賞味期限を気にしたり、買い替えたりする必要がなく、日常的に消費しながら常に一定量の食品を備蓄することできます。

取り組み

エネルギー消費量 / CO2排出量の削減

日清食品グループは、各製造拠点でエネルギー消費量やCO2削減プロジェクトを実施しています。設備の新設や更新にあたっては、ヒートポンプやコージェネレーションシステムを導入しています。また、国内製造工場で外部の専門機関による省エネ診断を実施し、診断結果に応じて再生可能エネルギーの導入をはじめとした省エネ対策をサステナビリティ推進部が各工場に提案しています。

2020年 2021年 2022年 2023年
CO2削減プロジェクト数 59 54 57 58
プロジェクトによる削減量 5,389 t-CO2 21,346 t-CO2 26,816 t-CO2 35,964 t-CO2

再生可能エネルギーの調達拡大

当社グループは、2050年度までに国内外の事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目指しています。
2021年2月から「RE100」に参画し、再生可能エネルギーの調達拡大に取り組んでおり、2023年度には珠海市金海岸永南食品、珠海日清包装で太陽光パネルを導入しました。

再生可能エネルギー由来の電力または環境価値 (証書) を使用している事業所一覧

開始時期 事業所名
2021年1月 ブラジル日清 イビウナ工場
ブラジル日清 グロリア・ド・ゴイタ工場
2021年4月 日清食品 静岡工場
日清食品 下関工場
2022年1月 四国日清食品
高松日清食品
2022年4月 東京本社
香川日清食品
米国日清ガーデナ工場
米国日清ランカスター工場
明星USA
メキシコ日清
ハンガリー日清
2023年4月 the WAVE
日清食品 (関東工場、関西工場、滋賀工場、下関工場)
日清シスコ (東京工場、大阪工場)
札幌日清食品
日清化成 (関東工場、関西工場、滋賀工場)
日清エフ・ディ食品
埼玉日清食品
相模フレッシュ

太陽光発電の設置状況

種類 設置事業所
自家消費 the WAVE、日清食品 滋賀工場、東日本明星 神戸工場、相模フレッシュ、ぼんち 山形工場、浙江日清食品、福建日清食品、珠海市金海岸永南食品、珠海日清包装、タイ日清、メキシコ日清 レルマ工場
FIT売電 ぼんち 神戸工場、浙江日清食品、福建日清食品、珠海市金海岸永南食品、珠海日清包装
香港FIT 香港日清 香港工場、永南工場、永安工場、永南食品 永泰工場

国内外の事業活動で利用する電力における再生可能エネルギーの調達比率目標

2021年
(実績)
2022年
(実績)
2023年
(実績)
2030年
(目標)
2050年
(目標)
再生可能エネルギーの調達比率 17.2% 31.9% 51.4% 60% 100%

ごみ発電電力の使用

食べ終えた後のインスタントラーメンの容器は、油汚れなどが付着しているため、リサイクルが困難であり、国内では一般的には可燃ごみとして焼却処理されています。この焼却に伴うエネルギーを用いた「ごみ発電電力」を使用することで、資源の有効活用につなげていく取り組みを進めています。日清食品ホールディングスでは、2020年3月から東京本社で使用する電力の50%以上を「ごみ発電電力」に切り替えています。

インターナルカーボンプライシング制度の導入

当社グループは、「カーボンニュートラル」の達成に向けた気候変動対策を加速するため、二酸化炭素 (CO2) の価格を独自に設定して設備投資時の判断基準とする「インターナルカーボンプライシング制度」を2023年5月に導入しました。この制度を活用して環境負荷低減効果が高い設備への投資を促進し、CO2排出量に紐づくコストやCO2削減効果を可視化することで、「カーボンニュートラル」の達成に向けて社員一人ひとりの意識を高めていきます。

社内炭素価格 21,600円/t-CO2
制度対象 国内事業所での省エネルギー設備投資や再生可能エネルギーの導入
適用方法 対象となる案件のCO2排出量に対し、社内炭素価格を適用し金額換算したものを、設備投資判断の参考とする。
  • 社内炭素価格は、CO2排出量削減の進捗や外部環境の変化などを踏まえて適宜見直します

サプライチェーンエンゲージメント

「サプライチェーンエンゲージメント」は、企業が気候変動課題に対して、どのようにサプライヤーと協働しているかを評価するものです。当社グループは、「日清食品グループ持続可能な調達方針」に基づき、サプライヤーの協力を得ながら、環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」に掲げた目標と「カーボンニュートラル」の達成を目指しています。
さらに、サプライヤー対して気候変動課題への取り組みに関する情報開示を求める「CDPサプライチェーンプログラム」に2023年から参加しています。2023年度は73社の協力を得て、CO2排出量の削減に関する説明会を開催したほか、現地を訪問して複数の取引先と意見交換を行いました。

主要製品のカーボンフットプリント算定

「カーボンフットプリント」とは、製品の原材料調達から廃棄やリサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガス排出量をO2に換算する仕組みです。当社グループは、「カーボンフットプリント制度試行事業」により策定された即席麺の製品種別算定基準 (PCR) に基づき、主要製品の「カーボンフットプリント」を算定しています。製品のCO2排出量を可視化し、定量的に把握することで、温室効果ガス排出量の少ない資材の調達や研究開発を行う際の判断基準として活用しています。

日清食品グループの共同配送、モーダルシフト

日清食品と明星食品は、北海道、東北、中部、四国、中国地方で共同配送を実施しています。さらに、製品の輸送手段をトラックから船舶や鉄道に転換するモーダルシフトを進めています。日清食品は中・長距離輸送において船舶の利用を拡大しているほか、明星食品は埼玉工場から九州物流拠点への輸送の一部で海上コンテナ輸送を利用しています。また、日清食品冷凍は、埼玉日清食品から九州エリアへの輸送の一部で船舶と鉄道を利用しています。

日清食品の共同輸送

日清食品は、2020年9月からアサヒ飲料、日本通運と関東-九州間で共同輸送を行っています。日清食品のインスタントラーメンは軽量貨物であることから、荷台の容積一杯に貨物を積んでも積載可能重量には余裕がありました。一方、アサヒ飲料の製品は重量貨物であるため、パレットの段積みができず、荷台の上部に空きスペースが発生していました。
そこで、両社の積載率の向上を図るべく3社で協議し、実証を重ねた結果、サイズが異なるために組み合わせが困難だった2種類のパレット※について、製品の種類、数量の組み合わせを調整することで効率的に混載するノウハウを確立しました。これにより、日清食品とアサヒ飲料が関東~九州間で個別に製品を輸送していた従来の方法に比べて、トラック使用台数を20%削減することができました。

  • 日清食品はT12型パレット、アサヒ飲料はビールパレット

また、2023年には、全国農業協同組合連合会 (以下JA全農) と「ラウンド輸送」を行う2つのスキームを確立しました。岩手~茨城間で行う荷主事業者間の「ラウンド輸送」では、茨城で生産した日清食品の製品を岩手へ輸送したトラックを使用して、JA全農の米穀を関東へ輸送します。これにより、トラック1台当たりの実車率※が従来に比べて約12%高まる見込みです。

  • 輸送効率の指標の1つで、トラックが走行した距離のうち、実際に貨物を積載して走行した距離の比率のこと。

福岡~山口間で行う"調達物流"と"製品物流"を組み合わせた「ラウンド輸送」では、往路でJA全農から当社の生産工場に原材料を輸送したトラックを、復路で日清食品の製品輸送に活用します。荷降ろし地と積込み地が同じであるため、荷物を降ろしてから次の荷物を積むまでの距離がゼロ化され、ドライバーの拘束時間を約7%削減できる見込みです。

パレット輸送化によるドライバーへの負荷削減

日清食品は、幹線輸送 (製造工場から物流倉庫への輸送) におけるトラックへの荷物の積み降ろし作業を、これまで1ケース (箱) ずつ人の手で行っていましたが、2015年8月からはパレット輸送化 (フォークリフトによるパレット単位での積み降ろし) に切り替えました。従来は、積む作業と降ろす作業にそれぞれ2~3時間かかっていたのが、パレット輸送化により30分~1時間に短縮され、作業完了までのドライバーの待機時間も短くなりました。2020年8月には、すべてのトラック幹線輸送においてパレット輸送化を完了しました。物流業界全体がドライバー不足という課題を抱える中、物流の効率化を図ることで、ドライバーの作業負荷軽減と労働環境の改善に寄与していきます。

日清食品の自主行動宣言

日清食品は、国土交通省、経済産業省、農林水産省が進める「ホワイト物流」推進運動※の趣旨に賛同し、自主行動宣言を2019年12月に提出しています。

  • 深刻なドライバー不足への対応として、①トラック輸送の生産性向上、物流の効率化、②女性や60代以上の運転者なども働きやすい労働環境の実現に向けた運動で、国土交通省、経済産業省、農林水産省が企業に対して参加を呼び掛けている

自主行動宣言の取り組み項目
  • リードタイムの延長 (「翌々日配送」の通年化により車両確保に時間猶予ができ、効率的な出荷作業を実現)
  • パレットなどの活用 (トラック幹線輸送のパレット化、積み降ろし作業時間を短縮)
  • トラック予約受付システムの導入 (直轄工場にシステムを導入し車両待機時間を短縮)
  • 荷主側の施設面の改善 (パレット対応専用設備を工場出荷口に設置し、積み込み時間を短縮)
  • 物流の改善提案と協力 (物流パートナーとの協議、倉庫拠点配置の最適化を実施)

社用車による環境負荷の低減

当社グループ※の営業車は、ハイブリッド車もしくは最高水準の排ガス規制に適合した環境対応車です。2022年12月には電気自動車1台を導入しました。また、社員にはエコドライブを推奨するとともに、長距離移動の際には公共交通機関やレンタカー等の使用を奨励しています。

  • 日清食品ホールディングス、日清食品、明星食品、日清食品チルド、日清食品冷凍、日清シスコ、日清ヨーク

政策提言につながる業界やイニシアチブへの賛同

当社グループでは、気候変動に関する様々な業界団体やイニシアチブへ参画し、政策提言につながる活動を推進しています。2021年9月には、日清食品ホールディングスの経営企画部内に渉外企画室を設置しました。また、官公庁主催の会合に経営層が参画し、直接的な政策提言も行っています。

団体名 取組み
GCNJ (グローバルコンパクトネットワークジャパン) 日清食品ホールディングスは、UNGC (国連グローバル・コンパクト) に2017年7月より署名しています。また、日本のローカルネットワークであるGCNJ (グローバルコンパクトネットワークジャパン) の分科会へ参加し、異業種の会員企業との情報交換や最新動向の把握を行っています。
JCI (気候変動イニシアチブ) 日清食品ホールディングスは、JCI (気候変動イニシアチブ) に2021年より参加しています。2023年12月5日に公表された「JCI (気候変イニシアチブ) メンバーによるカーボンプライシング提言: 2030年GHG排出削減目標と国際競争力強化の同時達成に向けて」に賛同するなど、定期的に政策提言活動へ参加しています。
GX (グリーントランスフォーメーション) リーグ 日清食品ホールディングスは、GX (グリーントランスフォーメーション) リーグ基本構想に賛同のうえ、2023年4月から参画しています。排出権取引 (GX-ETS) に関する自社の情報整理や、異業種のCO2削減に関する情報収集などを行っています。

関連データ

CO2排出量

Scope別温室効果ガス排出量

2020 2021 2022 2023
CO2e排出量(千t) 温室効果ガス総排出量に対する比率 CO2e排出量(千t) 温室効果ガス総排出量に対する比率 CO2e排出量(千t) 温室効果ガス総排出量に対する比率 CO2e排出量(千t) 温室効果ガス総排出量に対する比率
Scope1 284 6.4% 293 6.9% 296 7.1% 287 6.7%
Scope2 ※1 178 4.0% 165 3.9% 134 3.2% 101 2.4%
Scope3 3,975 89.6% 3,783 89.2% 3,745 89.7% 3,915 91.0%
カテゴリー1: 購入した製品・サービス 2,659 59.9% 2,475 58.4% 2,451 58.7% 2,565 59.6%
カテゴリー2: 資本財 112 2.5% 96 2.3% 74 1.8% 135 3.1%
カテゴリー3: "Scope1, 2 に含まれない燃料及びエネルギー関連活動" 80 1.8% 96 2.3% 89 2.1% 97 2.2%
カテゴリー4: 輸送、配送 (上流) 404 9.1% 405 9.5% 412 9.9% 413 9.6%
カテゴリー5: 事業から出る廃棄物 26 0.6% 19 0.4% 15 0.4% 16 0.4%
カテゴリー6: 出張 5 0.1% 4 0.1% 7 0.2% 12 0.3%
カテゴリー7: 雇用者の通勤 13 0.3% 11 0.3% 11 0.3% 13 0.3%
カテゴリー8: リース資産 (上流) (対象外) - (対象外) - (対象外) - (対象外) -
カテゴリー9: 輸送、配送 (下流) 213 4.8% 218 5.1% 224 5.4% 223 5.2%
カテゴリー10: 販売した製品の加工 (対象外) - (対象外) - (対象外) - (対象外) -
カテゴリー11: 販売した製品の使用 325 7.3% 327 7.7% 332 7.9% 313 7.3%
カテゴリー12: 販売した製品の廃棄 139 3.1% 132 3.1% 131 3.1% 126 2.9%
カテゴリー13: リース資産 (下流) (対象外) - (対象外) - (対象外) - (対象外) -
カテゴリー14: フランチャイズ (対象外) - (対象外) - (対象外) - (対象外) -
カテゴリー15: 投資 (対象外) - (対象外) - (対象外) - (対象外) -
温室効果ガス総排出量 (Scope1,2,3合計) 4,437 100.0% 4,241 100.0% 4,175 100.0% 4,302 100.0%

Scope2のマーケットベースとロケーションベース※2での温室効果ガス排出量

CO2排出量(千t) 2020 2021 2022 2023
Scope2 マーケットベース 178 165 134 101
ロケーションベース 192 195 193 198

対象範囲

温室効果ガス

  • SCOPE1,2: CO2
  • SCOPE3: CO2e

SBT認定基準に基づき、全体に占める排出量が僅かなため、フロンおよびバイオマス由来のCH4とN2Oは除外

集計範囲

  • 日清食品ホールディングス (東京・大阪本社、the WAVE)、明星食品 (研究所) ※1
  • グループ会社の製造工場(珠海日清包装はScope3カテゴリ1,2のみ対象)※2
  • ※1エネルギー投入量およびCO2排出量のみ含む
  • ※2湖池屋およびKoikeya Vietnamは2020年から集計対象、なお水使用量の売上原単位は2021年から集計対象

集計期間

  • 2019は年度(4月~翌年3月)、2020~2022は年(1月~12月)で集計

算定方法

算定プロトコル
  • Scope1,2
    地球温暖化対策の推進に関する法律
  • Scope3
    GHGプロトコル Scope3 Standard
GHG排出排出原単位
  • Scope1,2
    算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧(環境省)
    電気事業者別排出係数 (特定排出者の温室効果ガス排出量算定用) (環境省)
    IEA Emission factors (IEA)
  • Scope3
    LCIデータベース IDEA(国立研究開発法人産業技術総合研究所)
    サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(環境省)

四捨五入による端数処理のため、合計と内訳の計が一致しない場合がある

  • ※1Scope2はマーケットベース
  • ※2 マーケットベース:各電力会社が公表する電力CO2排出係数を適用した算出基準
    ロケーションベース:各電力会社の電源構成に拠らず、地域平均の電力CO2排出係数を適用した算出基準

第三者保証

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