環境マネジメント
方針
日清食品グループは、環境対策推進を重要経営課題と位置付け、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しています。また、2008年3月に制定した「日清食品グループ環境憲章」において、環境保全に関する基本理念や行動指針を定めています。当社グループは、この基本理念や行動指針に沿って環境目標を設定し、進捗を適切に管理しながら、環境負荷の低減に向けた改善に継続的に取り組んでいます。また、より高いレベルで環境対策を推進するため、2020年4月に環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を策定し、環境負荷低減の目標を定めました。
さらに、環境対策の推進には、従業員一人ひとりの環境問題に対する意識を高めることが重要であるため、従業員を対象とした研修や社内啓発施策を行っています。
体制
日清食品ホールディングスでは、代表取締役社長・CEOが委員長を務める「サステナビリティ委員会」を設置しています。気候変動や環境負荷低減など、サステナビリティに関する戦略や方針の策定、環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」に掲げた目標の達成状況をモニタリングし、年に1回以上取締役会へ付議・報告しています。
取り組み
環境マネジメントシステムの認証取得状況や環境関連法規制の遵守状況の調査
日清食品グループでは、事業所ごとの特性に合わせた環境保全活動を展開しています。国内グループ会社の製造工場に対しては、独自の「環境調査基準 (RISEA) ※」に基づき、日清食品ホールディングスのサステナビリティ推進部が環境マネジメントシステムの認証取得状況や環境関連法規制の遵守状況、エネルギー効率の改善状況、廃棄物の管理状況 (量や種類の特定など) を監査しています。その結果は各製造工場に共有し、その後の改善状況を継続的に確認しています。
- ※Food Safety Research Institute’s Inspection Standards for Environmental Activities
社員教育
環境マネジメントシステムに関する国際規格「ISO14001」の認証を取得している事業所では、内部監査員への教育や部門別、階層別教育を実施しています。そのほか、外部講師によるセミナーの開催や環境保全に関するボランティア活動の機会を設け、社員の環境意識を高めています。また、会社の環境配慮と社会への貢献度に関する意識調査を毎年実施し、社員の意識変化を把握しています。
国内のグループ会社による環境啓発策
- ・環境保全に関するボランティア活動機会の提供
- ・グループ社内報やイントラネットに社内外の環境情報を掲載
- ・通信講座の1つとして「eco検定合格対策講座」を設け、受講を完了した社員には受講費用の半額を補助
- ・RSPO (持続可能なパーム油のための円卓会議) 認証パーム油に関する社員向けセミナーの開催 (2019年1月に実施)
- ・プラスチック廃棄物問題に関する社員向けセミナーと関連する製品の展示会の開催 (2019年12月に実施)
- ・技術・開発・研究の拠点「the WAVE」の近隣緑地保全地域で、社員とその家族による森林整備活動を実施
- ・「the WAVE」内の社員食堂で使用されているストローの素材をプラスチックから紙に変更
- ・売上の一部が環境NGOに寄付される飲料自動販売機を東京本社内に設置
- ・社員に対し、自宅の電気を再生可能エネルギー由来に切り替えることを推奨する取り組みの実施
- ・社員から回収した古本を換金し、環境NGOに寄付 (2020年1月に実施)
海外のグループ会社による環境啓発策
- タイ日清
-
- ・研修や製造工場内の掲示物を通じて、自社の環境方針や目標に関する社員の理解を促進
- ・日清食品グループの環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」に関する教育を2020年度から開始
- ハンガリー日清
-
- ・入社時研修の一環として環境教育を実施
- ・職場でのプラスチック製カップの使用量削減を目的に水筒とマグカップを配布し、利用を呼び掛け
- ブラジル日清
-
- ・掲示板や社内報を通じた自社の環境方針の周知や環境問題に対する社員の意識啓発
- 日清食品 (香港) 管理有限公司
-
- ・社員から不用なおもちゃを回収し、リサイクルとリユースを行う団体「Tai Po Community Green Station」に寄贈。集まったおもちゃはTai Po地域に住む希望者に配布
- ・香港では、お世話になっている人へ感謝の意を込めて春節時にお金を渡し合う慣習があり、その際に使用されるポチ袋の使い捨てが問題となっている。日清食品有限公司と永南食品有限公司では、ポチ袋を社内で回収し、環境NGO「Greeners Action」を通じて再利用する活動を実施
関連データ
国内の事業所 (2023)
対象範囲
対象温室効果ガス
-
- ・SCOPE1,2はCO2
SBT認定基準に基づき、全体に占める排出量が僅かなため、フロンおよびバイオマス由来のCH4とN2Oは除外
集計範囲
-
- ・日清食品ホールディングス (東京・大阪本社、the WAVE)、明星食品 (研究所)
- ・グループ会社の製造工場
- ※1製品重量は、ユニ・スターおよび相模フレッシュを含まない
- ※2廃棄物量は、廃棄物および有価物を集計
- ※3エネルギー投入量および大気への排出量のみ含む
対象温室効果ガス
-
- ・SCOPE1,2はCO2
SBT認定基準に基づき、全体に占める排出量が僅かなため、フロンおよびバイオマス由来のCH4とN2Oは除外
集計範囲
-
- ・日清食品ホールディングス (東京・大阪本社、the WAVE)、明星食品 (研究所)
- ・グループ会社の製造工場
環境法令違反
2018年度~2023年度における環境に関する重大な事故、訴訟は発生していません。
グループ工場のISO14001認証の取得率
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|---|
国内外の対象工場における取得率 | 64.2% | 58.6% | 74.6% | 74.6% | 74.6% |
- ※対象はグループ会社の製造工場、2021年度から湖池屋含む
環境マネジメントシステムに関する国際規格「ISO14001」取得状況
国内 | 日清食品 (関東工場、静岡工場、関西工場、滋賀工場、下関工場)、明星食品 (本社、研究所)、日清シスコ (東京工場、大阪工場)、日清ヨーク (関東工場、関西工場)、札幌日清食品、日清化成 (関東工場、滋賀工場、関西工場)、東日本明星 (埼玉工場、神戸工場)、ユニ・スター、埼玉日清食品、相模フレッシュ、四国日清食品、高松日清食品、日清エフ・ディ食品、味日本、香川日清食品、ニッキーフーズ (泉佐野工場、富田林工場) 、ぼんち (神戸工場、東京工場、山形工場、中央工業団地工場、中央工業団地第2工場) |
---|---|
海外 | 香港日清 (永安工場、永南工場、新香港工場) 、永南食品 (永泰工場) 、珠海市金海岸永南食品、廣東順徳日清食品、東莞日清包装、福建日清食品 浙江日清食品、ブラジル日清 (イビウエナ工場、グロアドゴイダ工場) 、タイ日清、ベトナム日清、ハンガリー日清 |
安全に関する第三者認証※の取得実績
国内29カ所、海外15カ所 (2020年度)
- ※ISO9001、ISO22000、FSSC22000
環境会計
環境保全コスト
主な取り組みの内容 | 2021年度 | 2022年度 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
投資額 | 費用額 | 投資額 | 費用額 | |||
合計 | 731,412 | 4,186,051 | 1,085,617 | 3,802,682 | ||
公害防止コスト | ||||||
|
369,456 | 1,640,239 | 321,208 | 1,145,934 | ||
地球環境保全コスト | ||||||
|
144,406 | 1,179,574 | 478,750 | 1,206,737 | ||
資源循環コスト | ||||||
|
139,365 | 455,256 | 156,328 | 414,796 | ||
生産活動に伴って上流または下流で生じる環境負荷を抑制するためのコスト | ||||||
|
0 | 319,638 | 0 | 353,830 | ||
管理活動における環境保全コスト | ||||||
|
10,611 | 219,955 | 55,357 | 259,864 | ||
研究開発活動における環境保全コスト | ||||||
|
67,574 | 362,130 | 73,974 | 413,406 | ||
社会活動における環境保全コスト | ||||||
|
0 | 7,687 | 0 | 7,687 | ||
環境損傷に対するコスト | ||||||
|
0 | 1,572 | 0 | 427 |
対象範囲
日清食品国内工場 (関東工場、静岡工場、関西工場、滋賀工場、下関工場)、日清食品ホールディングス (東京本社、大阪本社、the WAVE)
算定方法
環境保全コストは、環境保全の意図がある、または明らかに環境保全効果がある場合のみ計上しています。費用に含まれる人件費は、環境保全の活動時間により計上しています。
社員意識調査の結果
対象者:日清食品籍の社員 (日清食品ホールディングス、日清食品チルド、日清食品冷凍などへ出向している社員を含む)、明星食品籍、日清シスコ籍、日清ヨーク籍の社員
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|
会社は環境に配慮した事業を行っている | 73% | 74% | 73% | 70% |
会社は事業を通じて社会に貢献している | 88% | 87% | 87% | 86% |
業界やイニシアティブへの賛同
- ・UNGC (国連グローバルコンパクト) への署名
- ・TCFD (気候関連財務情報開示タスクフォース) への賛同
- ・TCFDコンソーシアムへの参加
- ・SBT (科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標) イニシアティブへの参加
- ・RE100 (事業活動で使用する電力の再生可能エネルギー100%調達を目指す国際的なイニシアティブ) への参加
- ・環境省の脱炭素経営促進ネットワークへの参加
- ・気候変動イニシアティブへの参加
- ・チャレンジ・ゼロ (チャレンジ ネット・ゼロカーボン イノベーション) への参加
- ・CLOMA (クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス) に幹事会社として参加
- ・10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブの日本プロジェクトへの参加
- ・日本LCA学会に賛助会員として参加
- ・JaSPON (持続可能なパーム油ネットワーク) に理事企業として参加
- ・フードテック官民協議会への参加
- ・細胞農業研究会への参加
- ・グローバル・オープンイノベーション・プログラム「Food Tech Studio – Bites!」への参加
- ・GX (グリーントランスフォーメーション) リーグへの賛同
- ・J4CE (循環経済パートナーシップ) への参加
- ・CPs (サーキュラーパートナーズ) への参加