日清食品グループ

リセット

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

方針

日清食品グループは、多様な属性や価値観を持つ従業員が活躍できる職場環境の実現を目指しています。「日清食品グループ人権方針」を定め、人種、民族、国籍、宗教、信条、出身地、性別、性的指向、性自認、年齢、障がいなどに基づく差別やハラスメントを禁止しています。また、人材の採用時や採用後の昇進・昇格についても、公平かつ公正に対応しています。

目標

多様性の尊重に関するKPI目標として、「女性管理職比率」「男性育児休業取得率」「ダイバーシティ効果実感度」を掲げています。

[KPI目標]
  • 女性管理職比率 2025年度末 10%
  • 男性育児休業取得率 2030年度末 85%
  • ダイバーシティ効果実感度 ターゲット目標 85%、コミットメント目標 70%

また、2030年までに役員に占める女性比率を30%以上とする目標を掲げた経団連の「2030年30%へのチャレンジ」に賛同し、女性役員比率の向上にも取り組んでいます。
(2024年6月末現在、30%以上を達成)

体制

多様な従業員を受け入れ、個々の能力を存分に発揮できる職場環境の実現を目的として、人事部内にダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン※を推進する組織を設けています。従業員の意識啓発を目指し、女性活躍推進のための施策やLGBTQ+への理解を促す活動、育児中の従業員の家庭と仕事の両立支援などを実施しています。また、キャリア (中途) 入社社員を対象とした交流会や、年代や所属部門を問わず交流できる社内イベントなども開催しています。

  • 「ダイバーシティ&インクルージョン」に「エクイティ (公平性)」を加えた概念

取り組み

女性の能力開発

日清食品グループは、女性が個性と能力を十分に発揮できるよう、働きやすい就業制度の整備や社内の意識改革に取り組んでいます。
取締役、執行役員、チーフオフィサー、部門長が自部門における女性管理職の比率目標を設定し、自らがスポンサーとして女性社員を育成するプログラムを実施しています。女性社員向けの研修も充実させており、リーダー候補者向けの選抜研修などを2016年度から実施しています。
なお、日清食品ホールディングスは、女性活躍推進に優れた企業として「準なでしこ」※に2019年、2020年と2年連続で選定されました。

  • 経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「なでしこ銘柄」の次点として、業種の枠数なく選定される銘柄
研修制度
若手女性社員向け
  • 業界特有の悩みや課題を議論し解消するための「食品4社合同研修」(食品業界の他社と合同で、入社4年目もしくは20~30代の女性社員を対象に開催)
女性リーダー向け
  • リーダー候補として活躍している女性社員を対象とした、リーダーシップやプレゼンテーションの要素を取り入れた研修
  • 管理職、または管理職候補の女性社員を対象とした、外部研修への派遣やメンタリングなどの個別支援
  • 管理職、または管理職候補の女性社員を対象とした、「スポンサープログラム」(CEO、COOをはじめとした役員、執行役員、チーフオフィサー、事業会社社長、部門長がスポンサーとして、昇進昇格などの育成を支援)

育児との両立支援

子どもを持つ社員に向けて、仕事と育児の両立を支援する環境を整備しています。例えば、育児休業中の女性社員には、能力開発施策としてeラーニングや社外研修の受講を推奨しています。また、復職時には不安解消のための面談を実施しています。
これらの施策に加え、テレワーク制度やコアタイムのないフレックスタイム制度の活用などが評価され、2019年2月に厚生労働省から「プラチナくるみん」※の認定を受けています。
また、男性社員の育児休業取得も推進しており、2023年度の男性育休取得率は64.6%となりました。

  • 2015年4月に施行された改正次世代育成支援対策推進法に基づき、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣より認定 (「くるみん」認定) を受けた企業のうち、より高い水準の取り組みを行った企業が認定を受ける制度
制度 (法定制度を除く)
育児中の社員に向けた制度
  • eラーニングや外部研修などによる能力開発支援
  • 育児休業から早期復職するための補助施策、復職前面談
  • 非常時の保育料補助 (残業・休日出勤、病後児保育などで発生した保育料の補助)
  • ベビーシッター利用料の補助
  • 育児短時間勤務 (小学3年生までの子どもを持つ社員が対象)
  • こども休暇 (子育てを目的とした男性社員向け休暇)
  • 失効年次有給休暇※の育児利用
  • 金融知識学習プログラムの提供 (出産前後の社員が対象)
  • 搾乳室の機能を備えた休憩室の設置
育児に限定せず全従業員が利用可能な制度
  • コアタイムのないフレックスタイム制度
  • テレワーク制度
  • 半日有給休暇
  • 取得の権利が発生後2年を経過して時効で消滅する年次有給休暇を、上限25日まで積立し、その利用を認めるもの

介護との両立支援

テレワーク制度やコアタイムのないフレックスタイム制度、失効年次有給休暇※の取得など、柔軟な働き方を可能にする環境を整備し、仕事と介護との両立を支援しています。

  • 付与されてから2年経つと失効する年次有給休暇を、上限25日まで積み立てて取得できる制度

シニア社員の活躍支援

50代を前にした社員を対象に、今後の人生設計やキャリア形成を目的とした施策を実施しています。将来のライフプランやマネープランを作成する「セルフデザインセミナー」を開催しているほか、年齢を問わず新たなキャリアに挑戦できるよう、公募制度の年齢上限を撤廃しました。

公募制度

定年後の継続雇用

60歳で定年退職した後も雇用の継続を希望する社員には、最長で70歳まで働ける環境を用意しています。2024年3月末現在、定年後の再雇用者数は103名※です。

  • 日清食品籍の社員 (日清食品ホールディングス、日清食品チルド、日清食品冷凍などへ出向している社員を含む)

障がいのある社員の活躍

当社グループは、障がい者雇用の促進と働きやすい職場環境の実現に努めています。2024年3月末現在、国内グループ会社 (特例子会社含む)※1 で73名の障がい者が就労しています。なお、2023年度の障がい者雇用率※2 は2.14%です。

  • ※1日清食品ホールディングス、日清食品、日清食品チルド、日清食品冷凍、明星食品、日清食品ビジネスサポートプラスの全事業所
  • ※2日清食品籍 (日清食品ホールディングス、日清食品チルド、日清食品冷凍などへ出向している社員を含む)、明星食品籍、日清食品ビジネスサポートプラスの従業員

キャリア入社社員の活躍

当社グループでは、専門人材を外部から積極的に採用しており、2023年度の日清食品籍※採用者数に占める中途採用者数の割合は78.1%となりました。
キャリア (中途) 入社した社員が会社への理解を深められるよう、創業者の理念や行動指針について学ぶ研修を実施するほか、主要な部署の業務内容を動画で紹介しています。また、キャリア入社した社員が早期に能力を発揮できるよう、受け入れプランの作成や相談相手の選定など、配属先部署での受け入れ体制を整備しています。

  • 日清食品籍 (日清食品ホールディングス、日清食品チルド、日清食品冷凍などへ出向している社員を含む) の社員

グローバル人材の採用

グローバル事業のさらなる発展に向け、国籍を問わず優秀な人材を採用しています。特に海外グループ会社では、その地域の雇用創出にも貢献するため、現地の人材を積極的に採用しています。2013年にインド日清、2015年に米国日清、2017年にメキシコ日清で現地国籍の社長が就任しました。
日本国内でも外国籍の社員が活躍しており、2024年3月末現在、日清食品籍の外国人就労社員数は34名です。

LGBTQ+に関する取り組み

当社グループは、性的マイノリティ (以下、LGBTQ+) の従業員が能力を存分に発揮できる職場環境の実現に取り組んでいます。LGBTQ+に関する研修や社内イベントの実施、トランスジェンダー向けの福利厚生制度の整備など、さまざまな取り組みが評価され、「PRIDE指標2023」※において最高評価である「ゴールド」を4年連続で受賞しました。

  • LGBTQ+の人々が自分らしく働ける職場環境づくりを目的に、任意団体の「work with Pride」が2016年に日本で初めて策定した指標

LGBTQ+に関する取り組み

方針策定
  • 「人権方針」「就業規則」に、性的指向や性自認を含むあらゆる属性の差別とハラスメントを禁止することを記載
理解促進
  • 新任管理職研修や新入社員研修内において、LGBTQ+への理解を促す内容の講義を年1回実施
  • 日清食品ホールディングスの経営層と国内グループ会社の人事部担当者を対象に、LGBTQ+を正しく理解し、自身の言動を見直すことを目的としたセミナーを開催 (2020年8月)
  • 全従業員を対象に、LGBTQ+の基礎知識を身につけるためのeラーニング動画を配信 (2020年9月)
  • 全従業員を対象に、LGBTQ+の知識の習得や意識の向上を目的とした「にじいろShine!プロジェクト」を実施。LGBTQ+の基礎知識などをまとめたハンドブックの作成や、LGBTQ+当事者を迎えたオンライントークショーを開催 (2020年12月)
  • グループ会社を含めた全従業員を対象に、支援者である「Ally」を増やすためのイベントを実施。LGBTQ+をテーマとした映画のオンライン上映会や、当事者を招いてのトークイベント、基礎知識の勉強会などを開催 (2022年6月、2023年6月、12月)
  • 全従業員を対象に希望者を募り、支援者である「Ally」を増やすため、「東京レインボーパレード」での沿道応援を実施 (2023年4月)
  • 全従業員を対象に、支援者である「Ally」を増やすため、グループ社内報を通じて定期的にLGBTQ+の基礎知識に関する情報を発信

タレントのはるな愛さん、NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表の松中権さんを迎え、当事者ならではの体験談をお話しいただいた。

福利厚生制度
  • 事実婚および同性パートナーを持つ従業員にも、慶弔金、慶弔休暇、住宅手当を適用
トランスジェンダー向けの環境整備
  • 戸籍上の氏名ではなく、通称名の使用が可能
  • 採用エントリーシートの性別欄を削除
  • 性別適合手術を受ける際、失効年次有給休暇※の取得が可能
  • 健康診断を受ける際、病院を任意で選択することが可能
  • 個室更衣室とユニバーサルトイレを全国の主要拠点 (事業所、工場など) に設置
相談窓口の設置 当事者および当事者以外でもLGBTQ+に関する悩みや質問、会社への要望を伝えることができる相談窓口を社内外に設置。社外相談窓口は、LGBTQ+専門の相談員が対応し、匿名での相談も可能
  • 取得の権利が発生後2年を経過して時効で消滅する年次有給休暇を、上限25日まで積立し、その利用を認めるもの

関連データ

会社や仕事に対する従業員の意識や価値観を把握するため、意識調査を毎年実施しています。その設問の一つである「会社は国籍、性別などさまざまな違いを尊重し、認め合う風土を作っているか」「自部署は様々なバックグラウンドを持つ人が互いの強みを出し合い業務の質を向上しているか」への回答結果から、各種施策の効果を評価しています。

対象:日清食品籍の社員 (日清食品ホールディングス、日清食品チルド、日清食品冷凍などへ出向している社員を含む)

2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
会社は国籍、性別などさまざまな違いを尊重し、認め合う風土を作っている 71% 70% 69% 71%
自部署は様々なバックグラウンドを持つ人が互いの強みを出し合い業務の質を向上している -- 63% 63% 67%

人事・労務データ、女性に関するデータ

対象:日清食品籍の社員 (日清食品ホールディングス、日清食品チルド、日清食品冷凍などへ出向している社員を含む)

2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
従業員数 (人) 合計 2,336 2,370 2,489 2,695
正社員
(男性・女性)
2,197
(1,768・429 ※5)
2,243
(1,776・467)
2,358
(1,835・523)
2,570
(1,956・614 ※5)
契約社員
(男性・女性)
139
(99・40)
127
(95・32)
131
(99・32)
125
(99・26)
採用者数 (人) 合計
(男性・女性)
152
(113・39)
185
(125・60)
279
(191・88)
361
(245・116)
新卒
(男性・女性)
38
(29・9)
50
(36・14)
48
(26・22)
79
(49・30)
キャリア社員
(男性・女性)
114
(84・30)
135
(89・46)
231
(165・66)
282
(196・86)
係長職数 (人) 合計
(男性・女性)
450
(401・49)
525
(463・62)
511
(423・88)
531
(432・99)
管理職数 (人) 合計
(男性・女性)
331
(314・17)
364
(343・21)
398
(375・23)
417
(383・34)
採用者に占める女性の割合 (%)  25.7 32.4 31.5 32.1
採用者における中途採用者比率 (%) 75.0 73.0 82.8 78.1
新入社員3年未満の離職率 (%) 12.5 4.5 11.1 17.8
女性係長職比率 (%) 10.9 13.4 17.2 18.6
女性管理職比率 (%) ※5 5.4 ※5 5.8 5.8 8.2
再雇用者数 (人) 96 97 105 103
正社員の平均勤続年数 (年)
(男性・女性)
11.8
(12.8・9.8)
12.3
(13.0・9.6)
11.8
(12.6・9.1)
11.1
(12.0・8.3)
正社員の離職率 (%) 2.8 4.4 5.3 4.6
育児休業取得率(女性 / 男性) 100.0%
(12.1%)
107.4%
(23.4%)
92.6%
(39.2%)
76.9% ※4
(64.6%)
介護休業取得者数 (人) 1 3 1 0
年次有給休暇消化率 (%) ※2 74.7 78.6 80.8 82.4
障がい者雇用率 (%) ※3 2.30 2.32 2.23 2.11

対象:国内・海外グループ会社の社員

2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
新規採用者数 (人) 1,479 1,837 2,043 2,611
離職率 9% 9% 10% 11%
(うち自己都合離職率) 8% 8% 10% 8%
  • ※1年度末である3月末時点
  • ※2対象:非管理職
  • ※3対象:日清食品籍、明星食品籍、日清食品ビジネスサポートプラスの従業員
  • ※4厚生労働省の定義に基づき算出。当該年度に出産があった者は分母にカウントされますが、産前産後休暇中の者は分子にカウントされないため、数字が低く見えることがあります。なお、2023年度は出産した女性社員のうち全員が産前産後休暇または育児休業を取得しています
  • ※5日清食品籍をはじめとする国内グループ会社の女性正社員数と女性管理職比率は、第三者保証を受けています

多様性の尊重に関する指標と実績

2022年度 2023年度 目標
女性管理職比率 6% 8% 2025年度末10%
男性育児休業取得率 39% 65% 2030年度末85%
ダイバーシティ効果実感度 63% 67% ターゲット目標85%
コミットメント目標70%

女性の割合

対象:国内・海外グループ会社の正社員

2023年度
正社員全体に占める女性の割合 35%
全管理職に占める女性の割合 19%
次長および課長に占める女性の割合 18%
執行役員および部長に占める女性の割合 14%
売上を生み出す部門 (営業部門やマーケティング部門など) における女性管理職の割合 16%
STEM (科学、技術、工学、数学) 関連の職種に占める女性の割合 36%

対象:日清食品籍の社員 (日清食品ホールディングス、日清食品チルド、日清食品冷凍などへ出向している社員を含む)

2023年度 目標
管理職における女性の割合 8.2% 2025年度末
10%以上

育休取得の割合

(厚生労働省の定義に基づき算出。当該年度に出産があった者は分母にカウントされますが、産前産後休暇中の者は分子にカウントされないため、数字が低く見えることがあります。なお、2023年度は出産した女性社員のうち全員が産前産後休暇または育児休業を取得しています)

国籍別構成比

対象:国内・海外グループ会社の無期雇用社員 (米国日清を除く)

2023年度
従業員割合 管理職割合
日本 45% 67%
中国・香港 11% 15%
米国 -% -%
ブラジル 24% 6%
インド 3% 3%
その他、アジア 7% 4%
その他、中東 0% 0%
その他、欧州 4% 2%
その他、北米 0% 0%
その他、中南米 5% 3%
その他、地区 0% 0%

正社員の男女別賃金比率 (平均女性賃金/平均男性賃金) ※

2023年度
国内グループ会社 海外グループ会社 国内・海外グループ会社
管理職 (基本給のみ) 96% 117% 105%
管理職 (基本給+その他ボーナス等の現金のインセンティブ) 96% 115% 103%
非管理職 81% 88% 73%
  • 賃金は性別に関係なく同一の基準を適用していますが、人数、等級、在籍年数の違いなどにより男女で差が生じています。なお、2020年度、2021年度の正社員の男女別賃金比率 (国内グループ会社) は、第三者保証を受けています。

管理職・非管理職の賃金

対象:日清食品籍の社員 (日清食品ホールディングス、日清食品チルド、日清食品冷凍などへ出向している社員を含む)

2023年度
女性平均 男性平均
管理職 (基本給+その他ボーナス等の現金のインセンティブ) 12,584,759 12,631,918
非管理職 5,443,740 6,813,065
  • 賃金は性別に関係なく同一の基準を適用していますが、人数、等級、在籍年数の違いなどにより男女で差が生じています。
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