労働慣行/労働環境
取り組み
柔軟な働き方を実現するための制度の導入
日清食品ホールディングスは、従業員のワークライフバランスや生産性の向上に取り組んでいます。働き方改革の一環として、2017年度から一人当たりの年間総労働時間の目標を2,000時間未満に設定し、コアタイムのないフレックスタイム制度やテレワーク制度、半日有給休暇取得制度を導入しています。
DX推進による業務効率の改善
当社グループでは、デジタルを活用し、業務の効率化と生産性の向上を図っています。2023年4月には、日清食品ホールディングスで独自開発した対話型AI「NISSIN AI-chat」を国内グループ会社に導入しました。その結果、年間32,591時間の業務工数削減を実現しました。また、RPA (ロボティック・プロセス・オートメーション) なども活用し、約800の業務を対象に年間17万時間の業務工数を削減しました。
在宅勤務支援
在宅勤務に伴って増加する光熱費の節約支援策として、自宅で使用する電気を再生可能エネルギー由来の電気に切り替えることで、毎月の電気料金が割引される「日清 GREEN WORK チャレンジ」を2020年11月に開始しました。
社員への意識調査
国内・海外グループ会社の社員を対象に、会社に対する満足度や部署内におけるコミュニケーションの状況、上司によるハラスメントの有無、ミッション、ビジョン、バリューや経営戦略への共感の度合いなどに関する意識調査を毎年行っています。調査結果や寄せられた意見を経営層や各部門長と共有し、社員が心身ともに健康で個性や能力を発揮できる職場づくりや働きやすい環境整備に向けた施策に反映しています。
社員との面談
希望する社員※には人事部の担当者と個別面談する機会を設けています。新卒入社3年目およびキャリア入社2年目までの社員には、業務、人間関係、健康に関する調査を3カ月に1度実施しています。回答の内容に応じて対面またはリモートで面談を行い、異動先を決定する際の参考にしています。
また、部門長と代表取締役社長・CEOが面談する機会を年に1度設け、経営層が各部門の戦略や業績、人材育成方針などを把握する場としています。また、各部門長が代表取締役社長・CEOから直接話を聞くことで、会社の経営方針を正しく理解し、各部門のマネジメントに反映させています。
- ※日清食品籍の社員 (日清食品ホールディングス、日清食品チルド、日清食品冷凍などへ出向している社員も含む)
労使関係
日清食品ホールディングス、日清食品、日清食品チルド、日清食品冷凍は、社員に重大な影響を及ぼす可能性がある事業上の変更を行う場合は、通常は最低24週間前までに社員および労働組合へ通知しています。また、団体交渉の通知期間や協議、交渉に関する条項は、労働協約に明記しています。
また、日清食品ホールディングス、日清食品、日清食品チルド、日清食品冷凍では、日清食品労働組合 (ユニオンショップ制) を設立しています。労働組合と労働協約を締結し、社員が働きやすい環境整備に努めています。2023年度は、以下の項目に関して協議を重ねました。
- ・昇給、賞与
- ・人事制度の導入、見直し
- ・タレントマネジメント施策
- ・2022年度の時間外労働
- ・休日労働の協定 (36協定)
- ・2024年度年次有給休暇の計画付与
- ・法改正に伴う規程改定
- ・福利厚生(休暇制度、自己啓発費用の補助ほか)
- ・勤怠管理方法
- ・ダイバーシティ エクイティ&インクルージョンの推進
- ・従業員満足度調査の結果
なお、2023年度末現在、日清食品籍の社員 (日清食品ホールディングス、日清食品チルド、日清食品冷凍などへ出向している社員も含む) の労働組合加入率は83%です。
人的資本に関する情報開示の国際的なガイドライン「ISO 30414」の取得
日清食品ホールディングスは、人的資本に関する情報開示の国際的なガイドライン「ISO 30414」の認証を、食品企業として世界で初めて2024年3月に取得しました。また、認証取得に合わせ、日清食品グループの人的資本に関する考え方や取り組みをまとめた「Human Capital Report 2023」を発行しました。
多様な社員一人ひとりが才能を発揮できる職場環境をつくり、仕事を通して人間として成長できる機会を提供するため、今後も人的資本経営の取り組みを加速していきます。
生活賃金に関する考え方
生活賃金とは、労働者とその家族が適正な生活水準を維持するために必要な賃金のことを指します。
日清食品グループでは、生活賃金を労働者の権利として捉えており、最低賃金を遵守するだけでなく、従業員が適正な生活水準のもとで働きがいを持って充実した生活を送れることを目指しています。
適正な生活水準が維持できる賃金を支払うべく、生活賃金のベンチマーク開発を行う国際的な非営利組織Global Living Wage Coalitionによる「生活賃金の算出に関するメソドロジー」を参考に、食費、住居費、衣料費を含む地域ごとの生活賃金と当社グループの賃金の比較調査を毎年行っています。この調査を通じて、適正な賃金が支払われているかを評価し、生活賃金を下回る地域があった場合は、改善に向けて対応していきます。
関連データ
年間総労働時間
対象:日清食品籍の社員 (日清食品ホールディングス、日清食品チルド、日清食品冷凍などへ出向している社員を含む)
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
1,990時間 | 1,996時間 | 1,999時間 | 1,995時間 |
平均月間所定外労働時間 (時間/月)
対象:日清食品籍の社員 (日清食品ホールディングス、日清食品チルド、日清食品冷凍などへ出向している社員を含む)
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
20時間 | 22時間 | 22時間 | 22時間 |
- 2024年度目標は以下
-
- ・年間総労働時間:2,000時間未満
- ・残業時間:月20時間未満
- ・有給休暇の取得日数:年15日以上
2023年度末の労働組合への加入率: 90%
対象:国内・海外グループ会社に勤める社員 (労働組合がない会社や対象外の社員を除く)
社員意識調査の結果
対象:日清食品籍の社員 (日清食品ホールディングス、日清食品チルド、日清食品冷凍などへ出向している社員を含む)
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|
働きがいを感じている | 78% | 77% | 79% | 80% |
部署環境に満足している | 71% | 69% | 69% | 71% |
働きやすさに満足している | 61% | 58% | 58% | 60% |
対象: 国内・海外グループ会社の社員
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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会社のビジョン・戦略を一緒に実現したい | 79% ※1 | 84% | 78% ※1 | 83% ※2 |
- ※12020年度、2022年度は海外グループ会社を含みません。
- ※22023年度はブラジル日清を除き、海外グループ会社を含みません。