日清食品グループは、「人々の健康と安全を優先した製品およびサービスの創造開発に努める」「製品およびサービスは消費者の身体・財産を傷つけるものであってはならず、その品質に起因する問題には、誠実・迅速に対応して解決を図る」ことを「日清食品グループ倫理規程」の行動模範に掲げています。これを実現するため、日清食品グループの技術・開発・研究の拠点「the WAVE」のグローバル食品安全研究所を中心とした独自の品質保証体制を築き上げています。
日清食品グループは、安全な製品を提供するため、国内グループ会社の各工場において日常的に品質管理を行っています。加えて、独自の食品安全監査基準に基づく定期的な内部監査を実施し、そこから抽出された課題の改善に取り組んでいます。さらに、グローバル食品安全研究所が原材料や製品の分析や検査などの品質調査を行うことで、二重の管理体制を敷いています。
グローバル食品安全研究所は、「ISO/IEC17025 (試験所および校正機関の能力に関する一般要求事項の国際規格)」の試験所認定を取得しています。また、品質検査技能向上のため、国内外グループ会社の製造工場における品質管理担当者全員を対象として、食品分析に関する検査技能評価を実施しています。さらに、国内グループ会社の製造工場における検査担当者全員を対象として、微生物検査の技能評価試験を年2回、アレルギー物質検査技能評価試験を年2回実施しています。
グローバル食品安全研究所では、以下の取り組みを行っています。
中国の日清 (上海) 食品安全研究開発有限公司では、以下の取り組みを行っています。
項目 | 内容 |
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食中毒菌の検査 | 遺伝子情報に基づき、食中毒の原因となる菌を検査 |
残留農薬分析 (NASRAC) と動物用医薬品分析 (NASVED) | 550種類の農薬と200種類の動物用医薬品を分析 |
遺伝毒性発がん物質の試験 (NESMAGET) | がんの原因となるDNA損傷をヒト細胞で評価する試験 |
発がん促進物質の試験 (NESTUP) | 発がんを促進する「発がんプロモーター」について、細胞を用いて検出する試験 |
アレルギー物質の検査 | マルチプレックスPCR法によるナッツ類アレルギー物質8種類の一斉検査 LC-MS/MS法による国内推奨表示品目の一斉分析 |
栄養成分確認検査 | 近赤外線分光法による栄養成分の一斉分析 |
グローバル食品安全研究所では、「日清食品
食品安全監査基準」(NISFOS)
に基づく監査を実施しています。これは、日清食品グループ各工場の製造管理状態を「食品安全管理」「有害生物対策」「製造規範」「メンテナンス
(機器の定期検査)」「清掃活動」の5つのカテゴリーで評価するもので、監査で抽出された課題に対する改善策を提案しています。2020年度からは、官能検査や原材料の受け入れ体制などもNISFOSの監査項目に追加しました。
なお、2023年度は、品質調査部と上海食品安全研究所工程管理部による工場監査を、国内177工場、海外101工場で実施しました
(NISFOS以外の基準に基づく工場監査も含む)。
製造工場では、従業員が製造エリアに入る前に毛髪や体毛の落下を防止する専用ユニフォームを着用し、非接触による自動検温、粘着ローラー掛け、手洗い、エアドライ、アルコール消毒、シューズクリーン、エアシャワーと段階を踏むことで異物の混入を防いでいます。原材料を受け入れる際には、ふるい、風力選別機、色彩選別機、磁力選別機など原材料に適した装置を使用するとともに、製造ラインには金属探知機やX線検査機、パレット洗浄装置などを設置することで異物の混入を防いでいます。
製造された製品が当社グループの品質基準を満たしているかを確認するため、微生物検査やフライ油の酸価および過酸化物価検査、外観検査、重量検査などを実施しています。また、製品の食感や風味については、試食認定者による試食官能検査を通じて品質を確認しています。
製品に使われる原材料が自動的にトレースできるよう、外装ケースもしくは内袋に2次元コードを付け、ロットナンバー、製造年月日、納入業者などの原材料情報を管理しています。工場では、トレーサビリティ、品質管理カメラ、指紋や静脈、顔認証などの生体認証設備により、問題が発生した場合に原因を究明できる体制を整えています。
ユニバーサルデザインとは、身体能力の違いや年齢、国籍、性別に関わらず、誰もが利用しやすいように設計されたデザインです。当社グループでは、製品の原材料の表示欄や調理方法などに関する表示のサイズや色、配置を変更し、見やすいデザインにしています。
食品衛生法においてアレルギー物質と特定されている原材料は、表示義務のある特定原材料8品目と、表示が推奨されている特定原材料に準ずる20品目の合計28品目があります。当社グループのウェブサイトでは、製品ごとに28品目すべてのアレルギー物質を表示しており、製品ごとにアレルギー物質を「含む」「含まない」の検索もできるようにしています。
アレルゲン検索国内外の事業所や工場で、品質マネジメントシステムの国際規格「ISO9001」、HACCP※1の手法をもとにした食品安全マネジメントシステムの国際規格「ISO22000」、さらにはフードディフェンスの考え方を加えた国際規格「FSSC22000」※2の取得を進めています。その他、一部の工場は「SQF」※3や「BRC」※4を取得しています。第三者認証を取得している工場 (一部事業所を含む) は国内31カ所、海外18カ所です。
ニッキーフーズ 泉佐野工場で製造した冷凍たこ焼 (賞味期限2022年6月4日から2023年6月28日までの製品) に異物が混入し、2023年6月30日までに自主回収を受け付けました。