デザインを通じて、消費者に
あたたかな気持ちを届ける
デザインを通じて、
消費者に
あたたかな気持ちを届ける
日清食品ホールディングス株式会社 デザインルーム 2016年入社
大関 璃子
社員の所属は取材当時のものです。

- THEME 01 -

入社時の目標と現在の仕事

大学時代の学びは、
全て仕事に繋がっている

学生時代に、広告デザインの授業で見た日清食品の「hungry?」(1992年)のCMに衝撃を受けたのを覚えています。人間の食欲に本能的に訴えかける映像が頭から離れず、面白い会社だなと思いました。専攻していたグラフィックデザイン学科の就職先にはあらゆる業界がありましたが、私は自社製品を持つメーカーのインハウスデザイナーになりたいと考えていました。デザインを制作したら完了ではなく、製品の企画段階から発売後の消費者の反応までを見届けられるところに魅力を感じていたからです。製品の特性を誰よりも理解し、表現方法に向き合い、前回の経験を次に活かすことができるところは、インハウスデザイナーならではの特徴だと思っています。
入社後は、日清食品ホールディングスのデザインルームで、日清食品の即席麺のほか、一部グループ会社のデザイン全般を担当しています。パッケージデザインから店頭ポスター、販促イベントのロゴやグッズまで幅広く携わっています。日清食品は製品数が非常に多く、即席麺の新製品だけでも年間300品近く発売する年もあります。現在デザインルームには10数名のデザイナーがいますが、製品の多さや役割範囲の広さから、スピード感のある仕事が求められます。私が入社した際も、1年目からすぐにデザインを任され、学生時代に勉強してきたことをフル活用しながら必死で食らいつきました。ロゴを考える際はタイポグラフィーの知識が、製品のシズル感を生かしたパッケージデザインを考える際は写真撮影の技術が必要となり、大学時代に学んできたことの全てが仕事に繋がったと感じました。

- THEME 02 -

成功体験

60年間続くブランドに携われる
インハウスデザイナーの面白さ

入社2年目にはチキンラーメンブランドの担当になり、翌年には発売60周年を迎えるチキンラーメンのバースデー関連の新製品のデザインや販促物の制作を任されました。日清食品には、チキンラーメンの誕生日である毎年8月25日に、社員が店頭に立ち、販売や接客を行う大きなイベントがあります。その年は、新たに若年層をターゲットとしたブランド戦略を取っていく時で、「チキンラーメンフェス」というコンセプトのもと、ポップで明るいデザイン案を店頭ポスターやグッズなどに統一し、デザインとして落とし込んでいきました。
チキンラーメンのキャラクターの「ひよこちゃん」は、線の太さなどのルールが細かく規定され、世界観が確立されたキャラクターです。すでに完成されているものをどのようにコンセプトに合わせたデザインに変えていくかが課題でした。参考になりそうな雑貨店を回ったり、使う色の数や線のタッチを何パターンも試したりと、検証を重ねてデザイン案を作成しました。「なぜこれだけの色数を使うのか」、「なぜこの線を選んだのか」細部まですべて説明できるまで準備をした甲斐もあり、マーケティング部の担当者からは一発OKをもらうことができました。イベント当日、店頭でグッズのデザインについて喜んでくださる消費者が多く、60年間愛され続けるブランドの節目のイベントに携われたことを誇らしく思いました。

- THEME 03 -

日々の挑戦

マーケティング部との二人三脚で
製品の顔が決まる

デザインルームの仕事は、マーケティング部の担当者とコミュニケーションを重ねながら、届けたいメッセージを正確に表現することが求められます。新人時代はただ言われた通りに仕事をしており、出したデザイン案が「イメージと違う」と言われれば、首をかしげながらまた作り直していました。自分の考えやデザイン案に込めた思いを、言葉にして意見することができず、お互いがすれ違ってしまっていたように思います。
しかしそれではいい製品を作ることはできません。今では、お互いに言いたいことを言い合えるよう、最初の打合せの段階から相手の考えをよく聞くようにしています。デザインを考える際、製品コンセプトやターゲット層が記された「オリエンテーションシート」を参考にしますが、そこに反映されていない思いをいかに汲み取るかも重要です。製品の魅力や届けたいイメージを言語化しすり合わせていくと、デザイン案を出したあとに「何かが違う」ということが少なくなりました。マーケティング部の担当者との頻繁なコミュニケーションやお互いの信頼感が、良い製品を世に送り出すことに繋がります。

- THEME 04 -

これからの目標

仕事を楽しむ姿勢が、消費者に
おいしい幸せを届けられる

現在、私の担当案件全体の2割程度が海外製品で、欧州でのカップヌードルや出前一丁を担当しています。消費者に届けるメッセージが日本とは異なるため、現地のマーケティング担当とのコミュニケーションをより丁寧に行い、ニュアンスの違いを正確に理解しなくてはいけません。デザインの前に英語力の壁に阻まれることも多く、目下勉強中です。
自分が手掛けたデザインがどのように消費者に届いているのか、インハウスデザイナーとして「消費者に幸せな気持ちを届けられたか」という視点は、忘れてはいけないと考えています。携わった製品が発売した後には、マーケティング部から売上の動向や消費者の反応を積極的に聞き、より良いデザインにつなげるヒントを集めています。これからの食品デザインには、食欲に訴えかけるものだけではなく、環境に配慮したものや身体にやさしいものなど、求められる要素が変わってくると考えています。時代の変化の中で、担当した製品をどのように伝えていきたいのか、消費者意識やニーズはどのように変わっているのかなど、最新の情報に触れる姿勢を大切にしていきたいと思っています。初心を忘れずに、「自分が楽しまないと、消費者が喜ぶ製品は届けられない」という気持ちで、これからも積極的に挑戦し続けたいです。

CAREER

オンリーワンの
キャリアを駆け抜ける

  1. 2016
    9月~
    (入社1年目)
    入社後すぐに新ブランドの立ち上げに携わり、何度もデザインを提出するも採用されず。言われたことをこなしていただけで「こんな製品にしたい」という自らの意思を伝えていなかったことを反省。
  2. 2020年
    6月〜
    (入社5年目)
    大手コンビニで展開する、ラーメン有名店のカップ麺シリーズのリニューアルを担当。デザインの統一感と有名店らしさの両立、また店頭でのインパクトなど考えるべきポイントが多く、試行錯誤を重ねた。
  3. 2021年
    2月
    (入社5年目)
    一つの製品を2人チームで担当することが増え、一人では思いつかないアイデアに刺激をもらうことが多い。1日のスケジュール管理や、頭を切り替え取り組む力がどんどん磨かれている。
  4. 5年後
    どのブランドでも卒なく担当できるよう、知識・経験を増やしたい。自分の世界観を守りがちなので、殻を破って表現の幅が広いデザイナーになりたい。
  5. 10年後
    製品のデザインは日清食品と消費者をつなぐ最初のステップ。新たな価値を持つ食文化を人々に伝えていけるようなデザイナーになりたい。