日清食品ホールディングス株式会社 品質保証部 2017年入社
小松 大起
※社員の所属は取材当時のものです。
- THEME 01 -
入社理由と入社時の目標
食の安全に特化した
研究設備が魅力だった
就職活動では「食の安全を守る仕事をしたい」と考え、さまざまな企業を見ていました。食の安全について意識するようになったきっかけは大学院時代、発酵食品の研究のために行ったタイへの留学でした。そこでは貧富の差が大きく、生活環境、衛生状態が日本とはあまりに違っていて、「水や食の安全が守られている」ことがいかに貴重なものかを肌で感じました。その気付きを、働く上で価値観として持ち、将来自分も貢献したいと思いました。食の安全といえば工場での品質管理が多い中、日清食品では、食の安全に特化した「グローバル食品安全研究所」を持ち、独自開発した分析装置でさまざまな項目の細かな成分分析までやっており、その先進的な研究環境に「ここで働きたい」と強く思うようになりました。
- THEME 02 -
入社後から現在までの仕事
安全基準を満たしているか、
成分分析のプロが見極める
入社後は食品化学グループで3年間、身体にとって害となる危害物質の分析を専門に行いました。残留農薬や動物用医薬品を分析し、定められた基準値を満たしていることを確認することで原料レベルでの品質保証を資材部と連携しながら担っていました。現在は、食品分析グループで、栄養成分表示の数値を算出するための成分分析を担当しています。食品パッケージの裏に書かれた「タンパク質〇g」「脂質〇g」などの数値を出すため、日々、製品を手に奮闘中です。食品分析グループでは、食品開発部から「この成分のデータがほしい」と要望されることが多くありますが、そのときに大切なことは何のために必要なのかを丁寧にヒアリングすることです。要望の背景が分かれば、「ほかの成分も見る必要があるのでは?」とこちらから提案し、本来の目的に沿ったデータを示すことができます。
- THEME 03 -
日々の挑戦
他部署との相互コミュニケーションが
安心できる製品づくりにつながる
ある新製品に携わった時、食品開発部の担当者から「油の分析データがほしい」と言われたことがありました。油には、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸など色々な油脂の種類があり、それぞれの数値が知りたいという依頼でした。理由を聞くと「油脂の分量による風味の違いを知ることで、味の調整をしたいから」ということで、油脂が風味に大きな影響を与えているという仮説がベースにあると感じました。ただ、私は「風味はもっとさまざまな素材の要素が交わって出るのでは?」と考え、最初からピンポイントで分析するよりも、広く成分を分析した上で何が風味に影響を及ぼすのかを検証した方が良いと考えました。そこで「もっと網羅的に組成を見て、傾向を調べましょう」と分析の方針を提案し、製品化に寄与する分析結果を導き出すことができました。言われたことをただやるのではなく、双方向のやり取りで分析のゴールを共有し、お互いの知見を高め合っていく。その姿勢が、世の中に高品質な製品を送り出すことにつながっていると感じています。
- THEME 04 -
これからの目標
品質の高い成分分析で、
当たり前にある「安全」を守っていく
食の安全を守ることで世の中に貢献したい――。その想いは、入社時から変わっていません。日清食品で働くまで、日本においては食の安全は当たり前にあるものと思っていました。けれども、グローバル食品安全研究所のメンバーや食品開発部、資材部の社員と仕事をしていく中で、安全とは多くの人の努力によって守られているものなのだと実感するようになりました。そして今では、それを守り続けることが自分の使命や役割だと強く意識しています。食品の成分分析は非常に高価でコストがかかります。もっとコストを抑えることが可能になれば、より多くの成分を分析できるようになり、安全・安心な食を広く届けることにつながります。今後は、危害物質を自動で前処理してくれるような最新装置を自ら開発することにも力を注ぎたいと考えます。より品質の高い分析によって、食の安全を実現し、お客様がこれまで以上に安心して当社の商品を手に取ってもらえるようにしていきたいと思っています。
CAREER
オンリーワンの
キャリアを駆け抜ける
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2017年
6月~(入社1年目)生物の研究から一転、まったく未経験の化学の世界に飛び込み、専門用語の理解もままならない状態。先輩に実験器具の使い方をゼロから教えてもらいながら、見よう見まねで必死に食らいつく。 -
2020年
3月(入社3年目)「いつか海外での仕事に挑戦したい」とアピールを続けたことで、安全研究職として上海へ赴任するチャンスが到来。納期遅れを一度も出さない真摯な仕事姿勢が認められ、赴任メンバーに選ばれた(新型コロナウイルスの影響で見送りとなったが、収束したらまた挑戦したい)。 -
2021年
2月(入社4年目)2人の派遣社員メンバーのマネジメントを担当。相手の立場や考えを理解した上でコミュニケーションを取るよう心掛けており、食品開発部や資材部とのやり取りにも活かされている。 -
5年後小さなところから信頼を積み重ね、他部署との関わりを通じて知見を高め合えるような、前向きなコミュニケーションを取り合える組織をつくりたい。
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10年後国内のみならず、海外、特に発展途上国における食の安全レベルを向上させていきたい。より品質の高い分析体制を作り上げるために、分析装置の開発にも関わっていきたい。