日清食品株式会社 静岡工場製造課 2016年入社
小澤 義典
※社員の所属は取材当時のものです。
- THEME 01 -
入社の決め手と、現在の仕事
スピード感ある商品開発と
早期の安定生産化の両輪がある会社
私の通う大学院の研究室では食品の研究が盛んで、自然と食品業界をチェックするようになりました。その中でも当社は新商品において、“スピーディな開発”と“早期の安定生産化”という両輪をうまく動かしているのが印象的でした。その頃の当社は年間300点を超える新商品やリニューアル品を生み出しており、その供給を軌道に乗せるのは、実は簡単なことではありません。厳しい条件を潜り抜ける企画力、黒字化を続ける持久力に強い興味を持ち、入社を決めました。
現在は静岡工場の製造ラインのアシスタントリーダーとして、ラインの課題やトラブルに対応し、必要に応じて新しい設備の導入・改造も行っています。例えば、全く同じ商品を同じラインで作っても、重量が安定しないことがあります。仮に「カレーメシ」であれば、お米や具材の充填が安定しないのか、充填する機械の調子が悪いのか…など、一つひとつの要因を分析していきます。原因を解明したら、設備の調整や修理、そもそものラインの見直しを検討することも。「安定的な生産でどこまで黒字化させるか」が大切ですので、一時的な処置ではなく、本質的な課題を解決するようにしています。
工場ごとで生産環境に違いがあるものの、こうした課題解決や設備の見直しの際には、他拠点からの状況や事例もキャッチしていますね。また、研究所から品質向上や生産安定化のための情報をもらうこともあります。
現在は静岡工場の製造ラインのアシスタントリーダーとして、ラインの課題やトラブルに対応し、必要に応じて新しい設備の導入・改造も行っています。例えば、全く同じ商品を同じラインで作っても、重量が安定しないことがあります。仮に「カレーメシ」であれば、お米や具材の充填が安定しないのか、充填する機械の調子が悪いのか…など、一つひとつの要因を分析していきます。原因を解明したら、設備の調整や修理、そもそものラインの見直しを検討することも。「安定的な生産でどこまで黒字化させるか」が大切ですので、一時的な処置ではなく、本質的な課題を解決するようにしています。
工場ごとで生産環境に違いがあるものの、こうした課題解決や設備の見直しの際には、他拠点からの状況や事例もキャッチしていますね。また、研究所から品質向上や生産安定化のための情報をもらうこともあります。
- THEME 02 -
日々の挑戦
麺の品質をブラッシュアップし
驚くほどの経費削減も実現
2020年に生産部23年に静岡工場へ異動した直後、麺の品質改善にチャレンジしました。その日の気候など条件の微妙な変化によって、製造される麺の状態も少しずつ変わります。そのため工場では一定時間おきに麺を実食し、微調整をかけています。もちろん、こうして調整すれば問題のない麺が作れます。ですがその頻度が高くなっていることに気づき、「もっと質が安定すれば、工場内の黒字率も上がるのではないか」を考えました。そこで工場長上長に提案し、改善に乗り出したのです。
まずは、過去一年間の水分・油脂の数値や生産条件などをデータでまとめ、その変化を分析しました。それで生産条件の修正点は気づけたのですが、私一人では、「どの程度生産条件を修正すればいいのか」という答えにはなかなか辿り着きませんでした。そもそも私は静岡工場へ異動してきたばかりで、自分の知識だけで判断するのはよくありません。そこで、静岡工場を良く知る上司や現場のオペレーターにも相談し、意見を聞いていきました。すると、「少し前にここを改造したから対応できる可能性がある」「以前の条件はこうだった」といったヒントを続々と得られたのです。周りの助けを借りずに一人で頑張っていたら、時間を要したかもしれません。
そうしてみんなで試行錯誤を続けた結果、適した生産条件が見つかり、麺のコンディションが安定してきました。すると、工場内の年間経費も大幅に削減できたことがわかったのです。品質の安定化と黒字率向上、二つの課題が解決されました。ちょっとした環境の変化でも敏感になるのが麺です。ですが、毎日同じおいしい即席麺を作るのが私たちの仕事です。「生産者としての使命を果たせた」と、目に見える形で感じられた経験でした。
まずは、過去一年間の水分・油脂の数値や生産条件などをデータでまとめ、その変化を分析しました。それで生産条件の修正点は気づけたのですが、私一人では、「どの程度生産条件を修正すればいいのか」という答えにはなかなか辿り着きませんでした。そもそも私は静岡工場へ異動してきたばかりで、自分の知識だけで判断するのはよくありません。そこで、静岡工場を良く知る上司や現場のオペレーターにも相談し、意見を聞いていきました。すると、「少し前にここを改造したから対応できる可能性がある」「以前の条件はこうだった」といったヒントを続々と得られたのです。周りの助けを借りずに一人で頑張っていたら、時間を要したかもしれません。
そうしてみんなで試行錯誤を続けた結果、適した生産条件が見つかり、麺のコンディションが安定してきました。すると、工場内の年間経費も大幅に削減できたことがわかったのです。品質の安定化と黒字率向上、二つの課題が解決されました。ちょっとした環境の変化でも敏感になるのが麺です。ですが、毎日同じおいしい即席麺を作るのが私たちの仕事です。「生産者としての使命を果たせた」と、目に見える形で感じられた経験でした。
- THEME 03 -
成功体験
マネジメント側として大切な
コミュニケーションに気づけた
最近は静岡工場内のマネジメントを担いはじめました。役職者として、チームの一人ひとりへ課題を投げかけています。しかし、自分自身で動くことと、相手に指示して動いてもらうことは全く別物です。相手に的確に動いてもらうには、私の意図を正確に伝えなければなりません。そのコミュニケーションはこんなにも難しいのか……と痛感しました。
まず、役職者とオペレーターでは判断に使う視点が違うのです。管理側の私は稼働状況や損益などを数字で見ることも多いですが、オペレーターは実際のラインで、直接自分の目で判断しています。どちらが良いということではなく、物事のフォーカスの仕方ですれ違いが生まれていました。
悩んでいたとき、ちょうど上司と面談することに。そこで原因がはっきりとわかりました。今まで私は、課題や指示の内容を大枠で伝えており、その詳細や背景をオペレーターにきちんと話せていませんでした。そのためオペレーターには私の依頼の本質が伝わらず、課題の全体像が見えないままだったのです。そこから私の行動は大きく変わりました。指示する際は、具体的な課題や目的をしっかりと話すように。ときにはオペレーターと一緒に製造ラインを動かしながら、同じ視点を持って課題を共有していきました。
当社が掲げる「日清10則」には、「命令で人を動かすな、説明責任を果たし、納得させよ」という言葉があります。同じ視点で物事を考え、自身の言葉の解像度も上げながら、相手が納得するまで話すことが大切なのだと、マネジメント側になって実感しました。今後もこういった丁寧なコミュニケーションを心がけていきます。
まず、役職者とオペレーターでは判断に使う視点が違うのです。管理側の私は稼働状況や損益などを数字で見ることも多いですが、オペレーターは実際のラインで、直接自分の目で判断しています。どちらが良いということではなく、物事のフォーカスの仕方ですれ違いが生まれていました。
悩んでいたとき、ちょうど上司と面談することに。そこで原因がはっきりとわかりました。今まで私は、課題や指示の内容を大枠で伝えており、その詳細や背景をオペレーターにきちんと話せていませんでした。そのためオペレーターには私の依頼の本質が伝わらず、課題の全体像が見えないままだったのです。そこから私の行動は大きく変わりました。指示する際は、具体的な課題や目的をしっかりと話すように。ときにはオペレーターと一緒に製造ラインを動かしながら、同じ視点を持って課題を共有していきました。
当社が掲げる「日清10則」には、「命令で人を動かすな、説明責任を果たし、納得させよ」という言葉があります。同じ視点で物事を考え、自身の言葉の解像度も上げながら、相手が納得するまで話すことが大切なのだと、マネジメント側になって実感しました。今後もこういった丁寧なコミュニケーションを心がけていきます。
- THEME 04 -
これからの目標
省エネルギーを目指して
仲間とともに工場を変えていく
今までさまざまな生産現場の課題と向き合ってきましたが、社会問題でもあるエネルギー・水使用の削減には、まだまだ改善の余地があります。これまではオペレーターとして、「いかに効率よく安全に生産するか」「いかに材料の排出量を減らすか」といった視点は持っておりました。しかしマネジメント側へ回ったことによって、資材やエネルギーの使用量・経費などを数字で見ることが多くなり、“工場を運営する視点”で現場課題を考えるようになったのです。例えば現場を巡回しているとき、「今の時間、この室内の電灯は必要か」「水を出す量は多すぎないか」といったことに気づけるようになりましたね。
当社では、「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」という環境戦略をグループ理念に掲げています。役職者として現場の課題に気づいた以上、率先して取り組んでいくつもりです。それは、日頃のエネルギーの使い方をほんの少し変えるだけで改善するかもしれません。または、製造ラインや設備を見直すことで解決できるかもしれません。
私が痛感してきたように、適切なコミュニケーションの取り方は重要ではありますが、「こんなことをやってみたい」「こうすべきではないか」といった投げかけは、これまでも社内で広く受け入れられてきました。誰かのチャレンジや使命感をきちんと尊重し、そして協力してくれるムードが当社にはあります。新たに見つけたエネルギー・水使用の削減というミッションも、工場の仲間と力を合わせて取り組んでいこうと考えています。
当社では、「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」という環境戦略をグループ理念に掲げています。役職者として現場の課題に気づいた以上、率先して取り組んでいくつもりです。それは、日頃のエネルギーの使い方をほんの少し変えるだけで改善するかもしれません。または、製造ラインや設備を見直すことで解決できるかもしれません。
私が痛感してきたように、適切なコミュニケーションの取り方は重要ではありますが、「こんなことをやってみたい」「こうすべきではないか」といった投げかけは、これまでも社内で広く受け入れられてきました。誰かのチャレンジや使命感をきちんと尊重し、そして協力してくれるムードが当社にはあります。新たに見つけたエネルギー・水使用の削減というミッションも、工場の仲間と力を合わせて取り組んでいこうと考えています。
CAREER
オンリーワンの
キャリアを駆け抜ける
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2017年
12月~(入社2年目)工場内の電気講習に参加
工場長が発案した電気講習をきっかけに、電気に関する知識が身につき、製造ラインを改善する面白さに気づいていく。 -
2020年
4月~(入社5年目)生産部への異動
商品開発に携わるサポート部門では、商品を形にすることの難しさを思い知る。また、長期的な安定生産のための戦略、協力工場の体制強化など、工場現場だけでは経験できない食品製造の世界を目の当たりにできた。 -
2023年
4月~(入社8年目)工場でのマネジメント業務
チームの運営やオペレーターの教育に関わりはじめる。方針の共有や的確な指示をすることの重要性と、その難しさを痛感する。その他、工場損益の分析・改善にも奮闘。 -
5年後これまでの製造ライン改善、オペレーターマネジメントなどの経験を活かし、国内外の新たな工場や製造ラインの立ち上げに携わりたい。
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10年後難しい多品種小ロットにも対応できるよう、各工場で自動化ラインを導入したい。清掃や切替などの作業では無人化を図り、製造面も最低限のマンパワーで進められるようにし、グループの製造現場の生産性アップを実現することが目標。